国家公務員 総合試験ガイダンス
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国家一般職・試験制度

国家一般職には「試験合格」→「省庁採用」 という2つのプロセスがあります。つまり,公務員試験に合格した後, 官庁訪問が別に用意されているのです。ここでは「試験」 について見ていきましょう。

試験は1次試験と2次試験に分かれています。1次試験はマーク式試験で,教養試験と専門試験があります。 2次試験は記述試験と面接試験です。ただし,記述試験は,1次試験と同時に行われます。 採点を2次試験で行うという扱いです。

各試験には足切り点が設定されており,1科目でもこれを下回ると不合格になります。 これを除く合格者は,各試験を偏差値化して,その合計で決まります。 ただし,このとき試験によって決まった比重がかかります。下の表にありますが,国家一般職の場合, 専門マーク試験の比率が非常に高くなっています。

建築職は,記述の代わりに製図試験があり,多肢選択と製図の割合が共に2.5である。

人事院試験に最終合格すると,官庁訪問を受けることができます。 なお,試験に1度合格すると,その翌々年まで官庁訪問を受けることができます。

地方上級・試験制度

地方自治体の試験は,自治体によって日程自体が違いますが, 一部を除くと,道府県・政令指定都市は,6月の後半の同じ日に 一斉に行われます。

地方上級も国家一般職と大きな違いはありませんが,地方上級の場合, 試験に合格すれば,ほとんどの場合,そのまま採用となります。 つまり,試験とは別に官庁訪問のような採用のプロセスはないということです。 なお,試験制度は地方自治体によって様々です。 詳しくは,リンク集から,各地方自治体の情報ページをご覧下さい。

特に,東京都,特別区,大阪府,大阪市は他の自治体と異なる日程, 異なり試験制度で行われているので,注意が必要です。

地上・一般職の試験対策

ここでは,地上・一般職試験の対策の考え方についてまとめておきます。

なお,試験制度などについてはこちらのページをご覧下さい。

地上・一般職の試験対策の考え方

昔から言われていることに,「技術系は専門は大学でやっているから教養を中心にやればよい」 というものがあります。僕の学生時代から言われています。 倍率の低い(1.5倍など)試験では,試験はほとんど足切り点さえ超えればよいでしょうから, そのような場合には,こうした意見も間違いではありません。

しかし,自分の周りを見て,たとえばその中で上位の1/2だとか1/3に入らないといけない, と言う場合には,話が変わってきます。 その周りの受験生も,同じ専門試験を大学で勉強していることに変わりはないからです。 いかにして,同じ専門の人と差をつけるか,ということが大切です。

また,工学系の公務員試験の特徴として,次のようなことも意識するとよいでしょう。

  1. 倍率,難易度が年によって大きく変わる
  2. 出題傾向が,時々大きく変化する

過去に,十分に準備をして,例年なら合格するはずの受験生が, 突然の採用削減で倍率が跳ね上がり,合格できなかった事例があります。 (さらに,翌年,倍率が下がると,あまり勉強していなかったのに, 合格していたりします)。 甘い考えで,「昨年の合格者が勉強していなかったから,今年も大丈夫だろう」 と思うと,痛い目に遭うこともあります。 (とはいえ正直,突然の採用抑制はやめてもらいたいのですが)

工学の基礎の対策の考え方

工学の基礎は数学と物理に分けられます。

工学の基礎は,その出題頻度も高いのですが,専門試験の基礎として, 工学の基礎で学んだことを専門試験で活かしてこそ, 本領を発揮します。 ですので,工学の基礎で学んだことが,どのように専門科目で使われるのか, ということを意識して勉強するとよいでしょう。

専門試験の対策の考え方

専門試験は,大学などで学んだことであり,もっとも取り組みやすい科目である一方, 公務員対策としては,参考書も少なく,科目数が多いため, 効率よく勉強することが難しいところもあります。 とはいえ,配点,成果の出やすさを考えると,公務員試験で 最も重視すべき科目である事は確かです。

まずは,過去問を入手しましょう。人事院から情報公開請求をしてもいいですし, 大学で入手できる場合もあります。いずれにしても過去問が勉強の基礎となります。 (ただし,地方上級については,特別な場合を除いては非公開となっています)

教養試験の対策の考え方

「専門試験では差が付かないので,教養試験で差をつけろ」というのは 昔からよく聞かれることですが,これははっきり間違いと言えます。 まず,公表されている平均点を見ると,最近の易しい国家一般職の中には, 専門試験の平均が6割近い場合もありますが,多くは国家一般職でも 専門試験の平均点は4割〜5割ですし,地方上級では,3割〜4割だったりします。 つまり,専門試験がそもそもできていないのです。 一方で,教養試験の場合,科目数が多いため,どうしても手つかずの科目が出てきます。 つまり,ある程度以上は得点の伸びが期待しにくい状況にあるのです。 しかし,専門試験であれば,勉強すれば7割以上の点数を期待できる場合もあります。

そうなると,教養試験の目安としては,「確実に足キリ点を免れる」というのが 第一目標となります。まず,数的・判断は,早くから勉強を初めて, 得点源にしたいところです。また,自然科学・文章理解も点数が期待できる程度に 勉強しておくとよいでしょう。しかし,それ以外の一般知識などは, 範囲が広い割りには,問題数が少ないため,ある程度割り切って捨ててしまってもよいでしょう。 特に予備校の対策講座は,技術系に対するノウハウがないため, 都合よく,「教養対策」ばかりを強調する場合がありますが, むしろ,教養は数的・判断の例外を除いては,勉強しすぎないことです。 少なくとも,専門試験以上に重視する考え方は危険です。