国家総合職試験〜専門試験
トップページ

公務員試験情報

総合試験学習用

一般地上学習用

通信講座販売

練習問題

リンク

そのほか

工学:1次専門選択

工学の後半20問は,各職種の専門の選択問題となっています。この選択問題は少々特殊で,次のように科目を選んでから, 問題を選択することになります。

  1. 29科目の中から,4〜6科目(各5題),選択科目を決める
  2. 選択した科目の問題,20〜30問から20問を選択する

残念なことに,各科目の難易度は,工学の基礎よりは難しめですが, 工学の基礎と比べるとばらばらで,また試験年度によって異なる場合があります。 つまり,お得な科目と損な科目がある,ということです。 試験当日に問題を見て科目を選択できますので,できる限り広く浅く勉強しておくことが得と言えます。 個人的には,最低5科目,最大7科目くらいを用意しているのが望ましいと思います。

1.科目8と10は,同時に選択できない。

2.科目7と9と12は,同時に2科目以上選択できない。

科目選択の考え方

科目選択は,試験問題を見てから行えます。専門試験問題の難易度は年によって大きく上下しますので, 多めに科目を用意しておくのが得と言えます。これから,各職種ごとに大体の目安を書いていきますが, その前に,一般的に,次のようなことが言えます。

  1. 自分の専門にあうこと
  2. 範囲が狭く,短期間にまとめられること。またはそのような教材があること
  3. 他の科目との重なりがあるもの。特に工学の基礎と重なるもの
  4. 例年,難易度が低いもの(ただし,急に難易度が変化する恐れはある)
全員にお勧めの科目

まず,勉強のしやすい科目として,技術論,環境・衛生があります。個々の対策はここでは省略しますが, いずれも,過去問を入手すれば数問はとれると思われます。特に環境問題は,その歴史と環境白書を抑えておくことが大切です。

次に,工学の基礎と重なる科目として,情報基礎,電磁気学,電気工学,機械力学,熱力学・熱機関,情報工学(ソフトウェア) があげられます。さらに,高校範囲の問題が出題される可能性のある科目として,基礎化学, 有名な「情報処理技術者試験」に合格しているのであれば,情報工学(ハードウェア)もお勧めの科目となります。 ただし,これらの科目は,さすがに工学の基礎などと比べると難しい場合が多いですから,あくまで得意なものについて,数問のみを狙うことになるでしょう。

土木職

一般に,土木職で選択すると思われている科目は,構造力学・施工・設計(土木系),水理学・土質力学, 土木計画,環境・衛生となっています。ハード系とソフト系が2科目ずつになっています。 一般に,ハード系を選択すると,工学の基礎と重なること,機械系との選択が可能になることが得ですが,土木系の問題は難易度が高く, また,土木ではハード系を苦手にしている人が多いことから,ソフト系に重点を置く人が多いと思います (正直に言えば,構造力学と,材料・施工・設計,水理学と土質力学は個別の選択科目にすべきなのだと思います)。 そこでまず,ソフト系の選択について話していきます。

ソフト系として考えられる科目は,土木計画,環境・衛生の他に, 技術論,建築史・都市計画があり,これで4科目そろいます。 合格最低点が低い現状では,これで十分とも言えます(一応,構造力学にも知識問題が1,2問あります)。 問題は,土木計画が,都市計画,建設マネジメント(国土計画),交通計画,港湾工学,河川工学と5科目から1問ずつの出題であり, 範囲が広い,ということです。ただし,このうち都市計画に関しては,建築系に都市計画の科目がありますから, 細かく勉強しておけば問題数が増えます。また,ハード系で1つでも取る気なら,いっそのこと,港湾を捨てるなど,柔軟な対策がとれるでしょう。 一方,環境・衛生は,上下水道が各1問に,日本の環境,地球環境,それに環境がもう1つ (廃棄物などか)の出題となっています。環境については,技術論や教養にも出題があり,しかも範囲が狭いので,非常にお得です。

いずれにしても,一部科目を除くと,1問のために教科書を1つ用意することになります。 この勉強は非効率ですから,過去問を参考に範囲を絞ることが有効です。ただし,まとまった参考書やノートがあるなら, 暗記科目ですから,短期間に点数を伸ばすことが可能となります。 また,本試験では,選択肢を1つに絞ることは難しくとも,2択,3択に絞ることは難しくない問題が多いことも知っておくとよいでしょう。

次に,ハード系中心の対策ですが,この場合でも,,技術論,環境・衛生の対策は取っておくとよいでしょう (というより,この2科目は全員にお勧めの科目です)。ハード系は,機械系,建築系との比較になります。 本試験では必ず,材料力学(機械系),構造力学(建築系),流体力学と見比べてください。 過去問も,こららの科目も目を通すべきでしょう。5問全部を取るつもりでないのであれば,土木系より,こちらの科目の方がよほど簡単だったりします (たとえば,材料力学では,土木では国家II種でも易しいと思われる問題まで出題されています)。 これ以外の科目選択が難しいのですが,構造,橋梁などで振動に強い場合には,機械力学も, 工学の基礎と重なる範囲もあり,目を通してもよいかと思います。とはいえ2,3問だけなのですが。

機械職

一般に,機械職で選択すると思われている科目は, 機械力学,流体力学,材料力学,熱力学の4力学になると思われます。 これに加えて,計測・制御や材料工学も大学で講義を受けていれば選択可能かと思います。 さらに2次試験も,これに航空専門の人の「航空力学」が加わりますし,力学系が苦手な場合には,材料工学も視野に入ってくるかもしれません。

材料力学,流体力学には同時選択のできない科目がありますが,一般には機械系の問題の方が 易しい問題から出題されることが多いため,あまり選択の機会はないかもしれません (ただし,材料力学が得意な人は,建築系の構造力学から1,2問選択することは可能かもしれません)。 これ以外に選択科目を増やすことを考える場合,最初に上げた「全員にお勧めの科目」から選ぶことになるでしょう。 いずれにしても,工学の基礎も含め,力学を鍛えることが最も最良の方法です。

電気職

一般に,電気職で選択すると思われている科目は, 電磁気学,電気工学,電子工学,計測・制御になると思われます。 もちろん,情報系の勉強もしていれば,それらの科目を選択することもできます。

ここ数年の問題を見ると,電磁気学の難易度はぶれが大きいのに対し, 回路に関する問題,具体的には電気工学の最初の3問,電子工学の2問は解きやすい問題が 出題されています。ですので,これらの科目を用意するとよいでしょう。 また,電磁気学以外は,過去の問題の類題もよく出題されています。 その点で過去問の対策が重要となります。

ただ,電気工学は,通常の回路理論,電力工学,電気機器の3科目が入っており, 通常は対策がとりにくいかもしれません。しかし,最近の問題は, 電力工学も,電気機器もさほど難しくはありません。

いずれにしても,専門で幅広く選択するためには,一般的な科目(情報基礎など)や, 他職種,特に情報職の科目に手を出すことになるのでは,と思います。