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今日の問題・解答

ここで今日の過去の出題の問題の問題・解答を掲載します。[ ]内にカーソルを移動させると解答が掲載されます。2文字目に全角スペースを入れていますので, カーソルをそこにもってくると,読みやすくなります。 ちなみにクリックするとトップページに移動します。問題はジャンルごとに区分けしますので,問題番号が入れ替わることがあります。

気まぐれに作っていますので,問題に偏りが・・・

基本的に,平日の月曜日〜金曜日に更新します。出張でアップロードできないときには更新しません (この場合も,ブログが更新できるときには,ブログなどでわかるときもあります)。

複雑な計算問題は出題しません。科目は2週間ごとに変えていきます(飽きが来るので,期間を変えました)。ここのページの各科目ごとに問題の配置はランダムで, 体系順には直しません。

測量学
  1. 25000分の1の地形図で,面積4cm2の土地は,実際には10m2である。

    [× 縮尺は距離の比を表している。したがって,面積比は縮尺の2乗の比となる。 ここで,仮に1辺2cmの正方形と考えて計算すると,25000分の1の地図では4cmが1kmであるので,実際の長さ0.5kmで, 面積は0.25km2となる。]

  2. VLBI測量とは,地球を周回する人工衛星から発信される電波を受信することによって, 位置を測定する測量である。

    [× VLBI測量とは,電波星から発信される電波を地上の2地点間で受信し, その時間差から位置関係を測定する測量である。高精度で長距離の測定が見通しなしに可能となるところに 特徴がある。問題文の説明は,GPSシステムのものである。]

  3. 地球を回転楕円体とするとき,赤道半径の方が極半径よりも大きくなる。

    [○ 自転による遠心力で,赤道の方が長い楕円形となる。 なお,地球は一様ではないので,この回転楕円体は近似である。 よりよい地球の形を表したものとして,平均的な海水面を延長した「ジオイド面」を考える場合もある。]

  4. 測量者の疲れや未熟さから起こる偶然の読み間違いなどによって生じる誤差を,偶然誤差といい, 最小2乗法を使った誤差計算の対象となる。

    [× 問題文に書かれたのは,過誤と呼ばれるもので,測量者の過失が原因で, 誤差の3法則に従わないため,最小2乗法の対象にはならない。そのため,絶対に起こらないようにしなければならない。]

  5. トータルステーションは,レンズを使わず,電磁波によって測量が行えるため, 見通しのないところでも精度よく測量することができる。

    [× トータルステーションは,コンピュータによって精度よく短時間で測量することができるが, 光学測量機器であるため,レンズをもち,見通しがないと測量できない。]

  6. 写真測量において,特殊3点である主点・鉛直点・等角点は,鉛直写真であれば一致する。

    [○ その通りである。主点とは,写真の中心,鉛直点とは,レンズの中心を通る鉛直線と画面との交点, 等角点とは光軸とレンズを通る鉛直線の2等分線と画面の交点である。これらは鉛直写真であれば一致する。]

  7. 長方形の縦と横の長さを測って,その積から面積を求める場合,長さの測量の誤差(精度)が3%なら, 面積の誤差は約9%である。

    [× 誤差伝播の法則によると,積の計算の誤差は,和になるので,約6%である。 計算では,誤差をxとすると,(1 + x)^2 = 1 + 2x + x^2なので,誤差は大体長さの誤差の2倍の2xとなる。(x^2は無視)]

  8. 距離測定の精度と,角測定の精度が同程度のときのトラバースの誤差調整は,コンパス法則を用いる。

    [○ トラバースの誤差調整は,コンパス法則とトランシット法則の2つがある。前者は距離測定と 角測定の精度が同程度のとき,後者は角測定の精度が距離測定の精度よりも高い場合に用いられる。 コンパス法則では,閉合誤差の緯距や経距を測線長の比で分配するが,後者は,緯距の(絶対値の)比,経距の比に従って分配するものである。]

  9. 航空写真をつかって立体視を行う場合,限られた資材を効率的に使うために, コース方向に隣接する写真は原則として50%以上オーバーラップさせて撮影してはいけない。

    [× 立体視をする場合,コース方向に隣接する場合には通常60%程度はオーバーラップさせることが必要となる。]

  10. 光波測距儀とは,遠くの恒星から送られてくる光波を観測することで2点間の距離を求める機器のことである。

    [× 光波測距儀とは,光波を発信してから受信するまでの時間差から2点間の距離を測定する機器である。 恒星からの光は利用していない。]

  11. クロソイド曲線で設計された道路を自動車で運転する場合,直線部から単曲線部に向かうにつれ,ハンドルを回す速さを一定割合で 増やすようにハンドルを回せばよいようになっている。

    [× クロソイド曲線は,曲率半径が,距離に対して一定割合で減っていくようになっているため, ハンドルを一定速度で回せばよいようになっている。ハンドルを回す「速さ」を変えていく必要はない。]

  12. リモートセンシングとは,地表面から出ている,様々な電磁波などを測定して,離れたところから情報を読み取る技術のことをいう。

    [○ リモートセンシングの定義は様々だが,狭い意味では書かれたとおりに遠隔探査を行うことと 考えてよい]

材料・施工・設計
  1. 軟鋼材料において,ひずみと応力の間に線形関係,つまりフックの法則が成り立つ最大限度のことを,定義上弾性限度という。

    [× フックの法則が成り立つ最大限度は,比例限度である。弾性限度は,荷重が0になったときに, ひずみも0となり,残留ひずみを生じない最大限度である。両者は多くの場合一致するが,定義は異なるので注意が必要である (値が違う場合には,通常比例限度<弾性限度である)。 なお,定義上は,軟鋼材料に限定する必要はない。]

  2. 軟鋼材料において,応力が最大値を取る点を上降伏点という。

    [× 応力の最大値を,耐力,または引張り強さという。 一方,弾性限度を超えた後,材料の応力が増加しなくともひずみが増加する場所があり,これを降伏という。 降伏する際,わずかに応力が減少するため,その減少前の点を上降伏点という。]

  3. 材料分離を起こすことなく,運搬,打込み,締固め,仕上げなどの作業が容易にできる程度を表す フレッシュコンクリートの性質のことを,フィニッシャビリティーという。

    [× 問題文に書かれているのは,ワーカビリティーである。 フィニッシャビリティーとは,仕上げやすさの程度を表している。]

  4. 明確な降伏点の現れない材料では,0.2%の残留ひずみを生じる応力を耐力として用いることが多い。

    [○ 正しい。0.2%耐力という。]

  5. コンクリートの打継ぎ目は,構造上の弱点となりやすいため,できる限りせん断力の小さな位置に設けるのがよい。

    [○ その通りである。また,打継面を圧縮力の作用方向と直交させるのが原則である。]

  6. コンクリートは,水セメント比を大きくすると,ワーカビリティーが改善するため, 水セメント比は,耐力の範囲内で最大の値とすることが原則である。

    [× 水セメント比を大きくすると,ワーカビリティーが改善するが,強度は低下する。 したがって,水セメント比は,ワーカビリティーが得られる最小の値とするのがよい。]

  7. SS330で表される鉄鋼材料は,引張強さの最小値が330N/mm^2であり,降伏応力は330N/mm^2よりも小さい。

    [○ SSの後の数値は,引張強さの最小値を表している(最小値を使うのは,そうでないと危ないからである)。 引張強さは応力の最大値であるので,降伏点はもっと小さい。]

  8. 粉末度はセメント粒子の細かさを表す指標である。粉末度が高いと,水和反応が速くなる。

    [○ 正しい。粉末度が高いと表面積が増えることから,水和反応は速くなる。 しかし,風化しやすくなるという欠点もある。]

  9. 骨材の水量に関して,湿潤状態の水量と空気中乾燥状態(気乾状態)の水量の差を有効吸水量という。

    [× 有効吸水量は表面乾燥状態(表乾状態)と空気中乾燥状態の水量の差のことである。 なお,湿潤状態と表面乾燥状態の吸水量が表面水量である。]

  10. アスファルト舗装は,剛性舗装とも呼ばれ,せん断にも曲げにも抵抗することができる。

    [× アスファルト舗装は,たわみ性舗装と呼ばれていて,せん断には抵抗するが, 曲げには抵抗しない。剛性舗装と呼ばれるのはコンクリート舗装のことである。]

  11. 橋梁の設計に関して,地震荷重は,特殊荷重に分類される。

    [× 地震荷重は従荷重である。特殊荷重とは,条件によって特別に考慮する場合がある荷重のことで, 雪荷重,衝突荷重などが分類される。]

  12. 橋梁の設計荷重の中で,地震荷重は従荷重に分類される。

    [○ 地震荷重は従荷重である。この他に風荷重も従荷重に分類される。]

  13. 限界状態設計法では,終局限界状態,使用限界状態,疲労限界状態という3つの限界状態が設定される。

    [○ その通りである。これらの限界状態について個別に検討していく設計法である。]

  14. アーチ橋は,上向きに弓なりに曲がった形をしており,軸方向に発生する引張力を利用して荷重に耐える構造となっている。

    [× 前半の形状については正しいが,アーチでは,軸方向圧縮力が荷重に耐える主要因となる。]

  15. 鋼材料において,リンや硫黄が多くなると,引張強度が増加する一方でもろくなるため,適度に含有することが大切である。

    [× リンや硫黄は有害元素なので,少なければ少ない方がよい。]

  16. AE剤を混入すると,少ない水量でワーカビリティーが確保できるが,多すぎると,強度が低下する。

    [○ AE剤を混入することで,セメント内部に微細な空気の泡を導入することができる。 これにより,ワーカビリティーが改善するが,多すぎると,空隙が多くなり,強度が低下する。]

  17. 引張力に強く,圧縮力に弱いコンクリートの性質を補うために,鉄筋が用いられる。

    [× 引張と圧縮が逆である。]

  18. コンクリートの内部は,通常酸性であり,中の鉄筋は,表面の不動態皮膜で腐食から守られている。

    [× コンクリートの内部は,通常アルカリ性である。空気中の二酸化炭素によって,中性化が進行し,pHが低下していくと, 鉄筋がさびる危険がある。]

  19. コンクリートに力をかけたままにしておくと,力の大きさが変わらないにもかかわらず,ひずみが増大していく。 これをクリープという。

    [○ その通りである。逆に,ひずみを固定する場合,時間と共に力が減少していくことを リラクゼーションという。]

  20. 熱硬化性樹脂は,常温では柔らかいが,加熱をすると途端に化学変化を起こし,硬化する材料のことである。

    [× 熱硬化性樹脂は,加熱すると,最初は柔らかくなり成形加工できるが,加熱すると化学変化を起こし 硬化する材料のことである。]

  21. プレローディング工法は,地盤中に砂杭を設けることで圧密を促進させる工法である。

    [× 説明は,サンドドレーン工法についてのものである。プレローディング工法は, 盛土などの載荷によって地盤を圧密させることで,密度増加による強度増加を狙ったものである。]

  22. トンネルの工法の内,掘削直後にコンクリートを吹きつけ,ロックボルトを打ち込んで地山の安定を図る工法を NATM工法という。

    [○ 吹きつけコンクリート,ロックボルトがNATM工法のキーワードである。]

  23. シールド工法は,地山をシールドマシンで掘削していくので,地質の変化への適応性がよい。

    [× 地盤にあわせてシールドマシンをつくるため,地質の変化への適応性はよくない。]

  24. ダムや橋脚などの体積の大きいコンクリートをマスコンクリートと言い,水和熱に注意して施工する必要がある。

    [○ 記述の通りである。]

  25. コンクリートの締固めに際しては,全体が一様に締固められるように, 振動機を使う場合には,振動機を横送りしながら締固めを行う。

    [× 振動機の横送りはしてはならない。材料分離の原因となるからである。]

  26. コンクリートの養生に際しては,水による腐食を押さえるため,できる限り コンクリート表面を乾燥状態に置くことが大切である。

    [× コンクリートの養生では,表面は湿潤状態を保ち,乾燥によるひび割れをおさえる必要がある。]

  27. コールドジョイントとは,打ち込みが遅れることによって生じる,不良の継目のことである。

    [○ その通りである。]

  28. 配筋ミスの防止にもつながり,配筋検査を容易にすることから,鉄筋の継ぎ手位置を同一断面にそろえておくのがよい。

    [× 構造上の弱点となるため,継ぎ手は同一断面にしないようにする。]

  29. 炭素鋼は,炭素の量によって性質が変化し,炭素が増加するほど引張強さ,硬さが増加し,延展性も増加する。

    [× 炭素量が増加すると硬くなるのであるから,延展性は減少する。]

道路工学・交通計画
  1. ITSの例として,ロードプライシングやパークアンドライドが挙げられる。

    [× ロードプライシングやパークランドライドはITSではなく, TDM(交通需要マネジメント)の例である。TDMとは,交通利用者の利用方法の変更を促すことで, 円滑な交通を築く方法である。ロードプライシングは料金の課金,パークアンドライドは, 交通結節点(駅など)に駐車場を整備して公共交通の利用を促進することである。 一方ITSは,高度道路交通システムのことで,情報処理技術を使って,各種情報,サービスを行っている。 自動料金収集システムのETC,交通情報のVICS,バスロケーションシステムなどが挙げられる。]

  2. コンクリート舗装は,せん断力のみに抵抗し,曲げには抵抗しないので,たわみ性舗装とよばれる。

    [× 説明は,コンクリート舗装ではなく,アスファルト舗装のものである。 コンクリート舗装は,剛性舗装とよばれる。]

  3. アスファルト舗装は,コンクリート舗装に比べ,耐久性は良いが,補修は困難である。

    [× コンクリート舗装とアスファルト舗装が逆である]

  4. 排水性舗装は,雨水を速やかに地盤に浸透させるため, 都市水害対策としても有効だが,一方で,騒音が大きくなるという問題点もある。

    [× 排水性舗装には,騒音低減効果がある。これは,舗装の間隙で音が反射し, 低減されるからと考えられている。]

  5. 四段階推定法では,発生集中交通量,分担交通量,分布交通量,配分交通量の順に推定していく。

    [○ その通りである。]

  6. 視距とは,運転者が道路上で障害物を発見できる直線距離のことを言う。

    [× 視距は見通しの距離で測る。つまり直線距離ではなく,道路に沿って測った距離である。 道路構造令の定義では,「車線の中心線上1.2メートルの高さから,当該車線の中心線上にある高さ10センチメートルの物の頂点を見とおすことができる距離を, 当該車線の中心線に沿つて測つた長さ」と定義される。]

  7. 設計速度が大きくなるほど,確保する視距も大きくなる。

    [○ 設計速度が大きいため,停止するまでにかかる距離も 大きくなる。これに伴い,視距も大きくとらなければならない。]

  8. 追い越し視距は必ず確保されなければならないが,制動停止視距は 必ずしも確保されなくてもよい。

    [× 追い越し視距と制動停止視距が逆である。 視距については,道路構造令第十九条に書かれた値以上でなければいけないが,これは制動停止視距である。 追い越し視距については,第2項に書かれているが,こちらは「車線の数が二である道路」において「必要に応じ」確保すればよい とある。]

  9. 普通道路の縦断勾配が3%を超える車道には必要に応じて登坂車線を設ける ものとするが,高速道路の場合には,縦断勾配が5%を超える場合に設ければよい。

    [× 3%と5%が逆である。設計速度の大きい高速道路では, 速度低下が著しくなるため,普通道路より勾配の緩い道路でも登坂車線を設ける。]

  10. 基本交通容量に,側方余裕,幅員,大型車混入率などを考慮し,現実的な条件下での交通容量を計算したものを, 設計交通容量という。

    [× 設計交通容量ではなく,可能交通容量である。これに設計水準を考慮したものが,設計交通容量である。]

  11. 透水性舗装は,路盤の浸透水の処理も必要なく,道路に不要な雨水がたまるのを防ぎ,雨天時の事故軽減に効果があるが, 一方で,道路騒音が大きくなるというデメリットもある。

    [× 透水性舗装は,道路の水溜まりを減らす効果に加え,騒音が低減するという効果もある。 ただし,雨水を路盤に浸透させるため,路盤の処理が必要となる。]

  12. 道路の縦断曲線の半径についてみると,凸型曲線の方が凹型曲線よりも大きい。

    [○ 正しい。曲率半径が大きいということは,緩やかということである。 凸型曲線は凹型曲線より見通しが悪いため,曲率半径が大きくなる(設計速度が大きい場合)。]

  13. 道路の機能には,アクセス機能,トラフィック機能,空間機能などがあるが, 歩行者が安全に歩行できるように,横断する際の安全性を確保するためのバリアフリー歩行空間の 設計を行うことは,空間機能としての側面を重視したものである。

    [× 空間機能ではなく,トラフィック機能である。 トラフィック機能は交通の円滑な流動を目的とするものであるが,これは自動車に限らず歩行者も対象に入る。 そして,交通サービスを促進するバリアフリーはトラフィック機能を重視したものと言える。 空間機能は土地利用に関するもので,駐車場,緑化などに関係するものである。 ]

  14. アクセス機能を重視した道路では,トラフィック機能を重視した道路よりも,一般に, 交通速度は遅く,トリップ長は短いと言える。

    [○ 正しい。アクセス機能とは,周辺設備などへのアクセスを重要視した機能のことで, トラフィック機能とは,通過交通を重視した機能のことである。]

  15. 交通密度Kと交通量Qの関係を表すK-Q曲線では, 一つの交通量に対し,二つの交通密度の値が存在する。

    [○ その通りである。]

  16. 交通流理論において,1つの交通密度において,2つの平均速度が存在する。

    [× 交通密度が上がるほど,平均速度は減少する。]

  17. 1日の中での時間交通量の変化率は,一般に地方で大きく,都市部で小さい。

    [○ 交通量に限らず,一般に絶対数の大きいものほど,変動率は低くなる傾向がある。]

  18. 道路構造令では,登坂車線は,縦断勾配が3%を超える車道で,必要に応じて設けるが, 設計速度が100km/hを超える車道では,5%を超える場合に設ければ良いとされている。

    [× 3%と5%が逆である]

河川工学・港湾工学
  1. 河川計画の,基本高水の設定において,計画規模を表す降雨確率年は,主に既往最大流量を元に決められる。

    [× 主に,河川の重要度から決められる。]

  2. 隙間を空けたり,高さを低くするなどして,洪水時には遊水池に水を導く役割をもつ堤防のことをかすみ堤という。

    [○ その通りである。]

  3. 河川の最大流量と最小流量の比を形状係数という。日本は諸外国の大河川と比べると, 形状係数の大きな河川が多い。

    [× 最大流量と最小流量の比は河況係数である。この値が大きいほど,流量変動が大きく, 日本の河川は,大陸の大河川と比べると著しく大きい値になる。なお,形状係数は,流域面積を河川延長で割った値で, こちらは当然大陸の大河川の方が大きい値になる。]

  4. 河川の中で,流域面積が一定以上の河川を一級河川,それ以下のものを二級河川と区分する。

    [× 一級河川,二級河川の河川そのものというより「水系」で区分される。 その規準は,河川法により,「国土保全上または国民経済上特に重要として指定した水系」が一級水系となっている。 そして,一級水系に属する河川は基本的に一級河川,二級水系に属する河川は基本的に二級河川となる (一級水系に二級河川は原則としてない。ただし一級水系のすべての河川が一級河川ではなく,市町村長が指定する準用河川に なったり,普通河川になったりする)。一級河川は基本的に国が管理し,二級河川は基本的に都道府県が管理する。]

  5. 港湾法では,港湾は,特定重要港湾,重要港湾,地方港湾に分類されている。

    [× H.23の法律改正によって,この分類は廃止され,新たに, 国際戦略港湾,国際拠点港湾,重要港湾,地方港湾の分類になった。なお,これとは別に, 指定港湾,避難港の指定も港湾法でされている。]

  6. 重要港湾,国際拠点港湾,国際戦略港湾の港湾管理者は港湾計画を定めなければならない。

    [○ 港湾法第3条の3にある。]

  7. 港湾の中で,管理者の行政の及ぶ水域及び陸域のことを港湾区域という。

    [× 港湾区域と呼ぶのは水域のみである。陸域は臨港区域という。]

  8. 平行式埠頭は,突堤式埠頭と比べて,背後の作業地が広く取れるが,係留できる船の数は少なくなる。

    [○ その通りである。この他に,日本では少ないが,ドック式埠頭がある。]

  9. 防波堤は水域施設に含まれる。

    [× 防波堤は外郭施設である。]

  10. 防波堤,防潮堤,防砂堤は,船舶海岸のための静水領域を作り出すための水域施設である。

    [× 防波堤・防潮堤・防砂堤は外郭施設である。]

  11. 導流堤は,河川の合流点や河口部において水の流れを導き,土砂の堆積とそれに伴う閉塞や河道の深掘れを防ぐために設けられる。

    [○ その通りである。導流堤は外郭施設になる]

  12. 離岸堤は,海浜の沖数キロメートルの辺りに,海岸線に垂直に築堤する堤防のことである。

    [× 離岸堤は,海岸線に平行に築堤され,漂砂の制御を目的とする。ただし,トンボロ(砂州)などが形成される場合もあり, 環境への影響が問題視される場合もある。]

  13. 防波堤において,直立堤は傾斜堤よりも反射波が大きい。

    [○ その通りである。]

  14. 直立堤は傾斜堤と比べると,反射波が少なく,軟弱地盤でも建設できるというメリットがある。

    [× 反射波が少ない,軟弱地盤でも建設できるのは,傾斜堤の方である。]

  15. 港湾の設計に際しては,上部に特に重要あるいは重量の大きな構造物を建設する場合を除いては, 地震時の液状化現象について考慮する必要はない。

    [× 港湾の場合,軟弱砂質土埋立地盤に建設される場合も多い。災害時に 港湾は物質運搬の拠点にもなるため,液状化に対する安全性も必要に応じて検討する。]

  16. 有義波とは,波を波高の高いものから数えて,全体の1/3にあたる波だけ取り出して, その平均の波高,周期をもつ波を言う。

    [○ 有義波は代表的な仮想の波ではあるが,単なる平均ではないことに注意が 必要である。]

  17. 直立堤は,一般に傾斜堤と比べて,底面反力が大きく,洗掘の影響を受けやすい。

    [○ その通りである。]

  18. 台風に伴って起こる海面上昇のことを高潮という。

    [○ その通りである。なお,地震に伴う海面上昇のことを津波という。]

  19. 台風に伴って起こる海面上昇には,気圧の低下が原因の「吹き寄せ効果」と,強風が原因の「吸い上げ効果」がある。

    [× 記述は逆で,気圧の低下により1hPaにつき約1cm海面が上昇するのが「吸い上げ効果」, 強風が原因で起こるのが「吹き寄せ効果」である。]

防災
  1. 地震に伴って起こる津波は,水深が浅くなると,速さが遅くなる。

    [○ その通りである。各種の公式があるが,いずれもそのようになっている。]

  2. ハザードマップは,防災上極めて有用であるため,法律によって,全自治体で作成・公開が義務づけられている。

    [× 法律では義務づけられていない。作成に手間と費用がかかるため, なかなか整備されていないのが実態である。]

  3. マグニチュードは地震の規模の大きさを表すもので,マグニチュードが1増えると,エネルギーは2倍になる。

    [× マグニチュードは2増えると違うとエネルギーは1000倍になるように定められている。 したがって,1増加すると,およそエネルギーは32倍増えることになる。]

  4. 現在,ハザードマップは,津波ハザードマップ,洪水ハザードマップなど,各災害ごとに別々に作られており, 複雑になっているため,これらを統合する作業が急がれている。

    [× 災害ごとに被害地域が異なり,また,場合によっては避難場所も異なるため, 別個に作るべきである。]

  5. 大森公式によると初期微動継続時間は震央距離に比例する。

    [× 震央距離ではなく,震源距離である。震央は,震源の真上の地表の点である。]

  6. 津波は,マグニチュードが大きく,震源の深さが浅い地震の方が,マグニチュードが大きく,震源の深さが深い地震よりも起こりやすい。

    [○ 津波は,海底地盤の変動によって発生するため,震源が浅い地盤の方が危険性が高い。]

  7. 激甚災害では,被害状況の地域差が大きいため,地方公共団体が作成する「地域防災計画」のほかに,全国規模を対象とした防災計画は策定されていない。

    [× 地域防災計画の上位に,中央防災会議が策定する「防災基本計画」がある。]

環境・衛生工学
  1. 上水道を構成する要素の内,送水とは,取水した水を浄水場まで運ぶ部分をさす。

    [× 問題文は「導水」の説明である。送水は,浄水場から浄水を配水施設に運ぶ部分である。]

  2. 上水道の殺菌において,最近では塩素消毒に代わって,オゾン消毒を採用する例が増加している。

    [× 塩素消毒は必ず行わなければならず,取って代わることはない。]

  3. 上水道の浄水施設の設計の基礎となるのは,1日最大給水量である。

    [○ 配水施設よりも前の施設は,1日最大給水量が基準となる。]

  4. 生物的方法である緩速ろ過と,物理化学的方法である急速ろ過を比較すると,必要な面積は緩速ろ過の方が大きい。

    [○ 日本の場合,急速ろ過の方が多いが,味覚,臭気の点から緩速ろ過が見直されてきている。]

  5. 分流式下水道では,雨水管と汚水管の2つの系統の設備が必要となり,コストが増大するため,最近は合流式下水道が作られている。

    [× 合流式下水道は,雨水と汚水が一緒になるため,大雨の時などは,処理場で処理できず, そのまま放流することになる。このため,水質の観点から問題があるため,新規の下水道は原則分流式下水道である。]

  6. 下水道の管渠は,下流に行くほど流速は大きく,勾配は小さくなるように設計する。

    [○ 堆積物が堆積しないように流速は下流の方が大きくなるようにする。]

  7. 下水管の接続方法は,原則として管中心接合,または,管底接合とする。

    [× 原則として水面接合で,管中心接合がそれに準じる。]

  8. 標準活性汚泥法は,採石などの支持体の表面に付着した 微生物膜を利用して下水を処理する方法である。

    [× 説明は微生物膜法である。]

  9. BOD除去率で見ると,標準活性汚泥法は,散水ろ床法の標準法,高速法のいずれよりも高い。

    [○ なお,散水ろ床法の中では標準法の方が高いが,実際には高速法しか用いられない。]

  10. 二酸化炭素は,わが国で排出される温室効果ガスの総排出量の90%以上を占めている。

    [○ 2008年度において,総排出量は,12億トン程度であるが,二酸化炭素が95%程度を占めている。]

  11. オゾン層破壊のフロンガスは温室効果も有しており,標準状態における単位排出容積当たりで相対的に比較すれば, 二酸化炭素よりも温室効果が高い。

    [○ その通りである。温室効果6ガスの中で,温室効果係数が最も小さいのは二酸化炭素である。]