国家I種試験〜工学の基礎
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工学の基礎とは?

工学の基礎とは,人事院のパンフレットで「工学に関する基礎」と書かれている部分です。 1次試験の専門試験の最初の20問を指しています。内容は,高校から大学教養レベルの数学・物理で, 理工Iで出題されています。もっとも理工IVを初めとする理工系のその他の職種でも, いくつかの問題が共通,あるいは類似問題として出題されるのが普通です。 出題数は次のようになっています。 (H.20:理工I以外は,理工Iとの共通・類似問題をカウント)

なお,理工I以外は,あくまで理工Iとの共通・類似問題をカウントしただけです。 実際には,これ以外にも独自問題の中に,工学の基礎範囲と言えるものが入っています。 これもカウントすると次のようになります。

工学の基礎の出題内容・勉強法

工学の基礎の,第一の特徴として,短時間で解かなければならない,ということがあります。 時間を最大限使っても,1問10分程度で解いていかなければなりません (1問10分では40問解けませんが)。 参考書を見ながらゆっくり時間をかけて解くのであれば,解けるかもしれませんが, この時間制限で解くためには,しっかりとして理解と演習が必要になります。

第二の特徴として,出題範囲が広い,ということがあります。 大学受験の参考書は,それなりに役に立つでしょうが,大学教養範囲になると,それでは足りません。 一方で,高校範囲全般が出るわけでもなく,さらに時間制限があることを考えると, 出題内容に偏りが出てきます。そのため,しっかりとして出題内容の研究が必要になります。 技術系公務員試験の場合,勉強不足で望む人が多いため,出題傾向をふまえているかどうかで, 大きな差が付くといえます。

参考にH.20の出題プロットを掲載しておきます。

国家II種試験との兼ね合い(工学の基礎)

国家I種試験と国家II種試験では,同じ工学の基礎でも,出題範囲が異なります。 また,出題範囲が重なっているところでも,難易度,出題傾向が異なるため, 最終的には,国家I種試験を本命とするならば,国家II種試験とは異なった対策が必要となります。

もっとも,国家I種試験の問題も,国家II種試験で出題される内容が前提知識となります。 ですので,国家II種試験対策をしっかりと取りつつ,直前期に国家I種試験の過去問も検討する, という方法は有効かと思います。 ただし,範囲の重なっていない部分(統計,剛体の力学,熱伝導,光の干渉,水の力学,弾性体の力学)の対策が別途必要ですので, 早めに,国I対策を始めることをお勧めします。

・・・というのが,H.14以降しばらの間通用した答えで, 今後も倍率が上がったり,難易度が上がるなどして当時の状況に近くなれば,同じ答えになるでしょう。

しかし,H.21のように極端に難易度が下がったり,H.18-21のように,倍率の低い状況では, 実際の所,国家II種対策がしっかりできていれば,それで国家I種試験も1次合格レベルには十分に達するのではないか,と思います。 ですので,国家II種の試験対策を中心として取れる問題を確実にこなせば, 国家I種も大丈夫かと思います。ただし,近年の過去問は見ておいてください。

ちなみに・・・そのH.14近辺の高い倍率のときも,僕が地上・国II講座で教えていた生徒さんのかなりの人が, 国家I種の1次試験を合格されていました(2次試験会場で見かけましたので)。 もっとも,当時の生徒さんは,当時の地方上級の,1次倍率5倍以上,といった試験に合格していますので, 当時と今では話が違うかもしれませんが

なお,僕の講義では,国家II種のみ工学の基礎の基幹講座がありますが,数学・物理に全く自身がない人は, そちらの対策で,(現状なら)国家I種でも十分な対策になると考えています(ただし,国Iの過去問は少ないですが)

理工III問題・解答集

テキストサンプルもかねて,H.20の理工IIIの問題・解答を掲載します。 ただし,理工Iとの共通問題・類似問題は除きます。また,地球物理の出題は わかる範囲,ということで。理工Iを受験される方も参考にできる問題が入っています。

H.22理工I工学の基礎講評

お疲れ様でした。工学の基礎について,ざっと解いて感想を書いておきます。 H.21で大幅に易化した工学の基礎ですが,数学はやや難しくなりましたが,物理は昨年通りで, 易しいままでした。一時期の国家II種の工学の基礎より易しいといえます。 少し驚いたのは,剛体の物理と熱力学の出題がないことです。 よほど昨年の正答率が悪かったのでしょう。どちらも極めて易しい問題で, 勉強したかどうかがストレートに差に表れる,よい分野だったのですがね。 さらに,全体的に知っているかどうかだけで差がつく問題が多く, 正直,出題の質が下がったな,というのが感想です。 はっきり言えば,いかにミスなく問題を解けるか,という「慎重度テスト」+「知識テスト」に 近くなり,一時期のように,問題の読解力,思考力などはほとんど要求されていない と言っていいかと思います。 難易度的には昨年と比べると,数学の分少しだけ,難易度が上がったと思います。 とはいえ,合格者数が激減した影響で,要求される点数は上がりましたが。 では,各問いの難易度です。コメントなどは,こちらへ。 勘違いのあったNo.3について記述を変更しました(2010.05.20)。 難易度はA=易しい,B=差がつく,C=難しいです。 物理については,国家II種,地方上級を受ける人には,いい練習になりましたね。 ただ,地方上級の方が,もう少し難しい問題が出題されるかもしれませんが。

A=1,B=0.5,C=0として,目標点数を定めると,14点(7割)となります。 1次合格の発表が終わって,倍率が予想外に上がったのですが,結果的にこの基準が 最低限とりたい目標となりますね。