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気まぐれに作っていますので,問題に偏りが・・・

自然科学(物理)
  1. 雨粒が重力だけを受けて落下するなら雨粒の速さは落下した距離に比例して速くなるはずであるが, 雨粒には大気圧による力も働くことにより,ある速さに達すると速さが一定の運動になる。

    [× 重力による落下運動では,速さは落下距離の平方根に比例する。 また,後半は大気圧ではなく,空気抵抗となる。大気圧による力の合力は浮力となる。 これが加わっても自由落下に変わりはない。]

自然科学(地学)
  1. 水星は,太陽系で最小の惑星で,公転周期も最も短い。大気はほとんどなく,表面はクレーターで覆われており,昼夜問わず太陽系の惑星中で 表面温度が最も高い。

    [× 間違っているのは,昼夜問わず表面温度が最も高い,という部分。水星の1日の長さは176日と長く, (自転周期は60日弱)大気がないため寒暖差が大きい。事実最低気温は氷点下150度を下回る。]

  2. 金星は地球とほぼ同じ大きさで,公転とは逆方向に自転している。 二酸化炭素を主成分とする分厚い大気で覆われていて,その温室効果で表面温度は約460度と 高温になっている。

    [○ 金星は,観測できる時間は朝か夕方に限られ,前者を明けの明星, 後者をよいの明星という。地球から見て太陽,月の次に明るい星であり,大きく満ち欠けをする。 また,衛星はなく,地軸が公転面にほぼ垂直なため,季節変化はほぼない。]

  3. 火星は、地球よりやや大きい惑星で、二酸化炭素を主成分とする薄い大気がある。 地表面は赤く見え、過去の生物の化石が数多く見つかっている。

    [× 火星の直径は地球の半分程度である。また、過去に水が流れた跡などは見つかっているが、生命活動については はっきりしておらず、生物の化石のような決定的な証拠はみつかっていない。火星には2つの衛星があり、 地軸が公転面に対して傾いているため、季節変化がある。極地方にはドライアイスの氷がある(極冠)。]

  4. 火星には,ガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星があり,そのうちのイオには活火山があり,水の存在が認められるため,生命の存在が期待されている。

    [× ガリレオ衛星は木星の衛星である。ガリレオ衛星と呼ばれるのは,イオ,エウロパ,カリスト,ガニメデの4つである。 火星の衛星はフォボス・ダイモスである。イオは,太陽系で初めて活火山が発見された衛星であり,氷あるいは水が存在しないとは限らないが, 少なくとも木星の強い磁場・重力の影響を受けて,生命体の存在の可能性は極めて低いと考えられている。]

  5. 木星は,太陽系最大の惑星である。表面に縞模様が見えるのが特徴で,その大気の主成分は二酸化炭素である。

    [× 木星は最大の太陽系最大の惑星であり,表面に縞模様と大赤斑があるのが特徴である。 大気の主成分は水素で,はっきりした地表面を持たないガスの惑星である。高速で自転しており,小さな輪を持つことでも知られている。]

  6. 土星は,はっきりとした輪を持つことで知られている。その密度は太陽系の惑星の中で最小で,水よりも小さい。 太陽から遠いため,わずかな光しか届かず,肉眼で確認することは不可能である。また,たくさんの衛星を持つことでも知られており, 特にガリレオ衛星と呼ばれる4つの衛星が有名である。

    [× 第一文は正しい。しかし,土星は明るさは日によって変わるものの,マイナス等級になることも多く, 目視することができる。なお,ガリレオ衛星は木星の衛星である。]

  7. 土星の密度は太陽系の惑星の中で最も小さく,水の密度よりも小さい。木星型惑星は輪を持つことに特徴があるが, 土星の場合,内側より外側の輪の方が明るく,地球からも容易に観測できる。

    [× 前半は正しい。後半は誤りで,土星の輪で明るく輝いているのは内側である。 輪は,直径に比べて厚さが薄く,特に内側の輪は非常に薄くなっている。]

  8. 太陽系にある衛星のほとんどは地球型惑星にあり,最も多いのが火星である。

    [× 衛星は木星型惑星の方が多い。内惑星(水星・金星)には衛星がなく, 火星には2つの衛星がある。]

  9. 地球型惑星の偏平率は,木星型惑星のそれに比べて小さい。

    [○ 偏平率が小さいということは球に近い,ということであり,逆に大きいということは 楕円に近いということである。]

  10. 地球型惑星はいずれも,木星型惑星(天王星,海王星を含む)のすべての天体より自転周期が長い。

    [○ 地球型惑星で最も自転周期が短いのは地球の約23.9時間であるが,木星,土星,天王星,海王星 のいずれもこれよりも自転周期は短い。。]

  11. 惑星の運動はボーデの法則に従うことが知られている。これは第3法則まであり,軌道が楕円であること,その面積速度が一定であることなどが その内容である。

    [× ボーデの法則ではなく,ケプラーの法則である。ボーデの法則とは,惑星の軌道半径が 地球と太陽との距離を1として,2n×0.3 + 0.4の式のn-∞,0,1,2,…を代入すると求められる,というものである。もっとも,現在ではこれは偶然ではないかと考えられている。]

  12. 内惑星はいずれも衛星を持たないが、外惑星はいずれも2個以上の衛星をもっている。

    [○ このほか、内惑星には、真夜中に見ることができない。希に日面通過という現象が起きる、 という特徴もある。]

  13. 太陽は太陽系唯一の恒星である。その内部で水素原子4つから核融合反応によってヘリウム原子1つを作り出す際 放出されるエネルギーが、太陽の主要なエネルギー源である。

    [○ 太陽の表面温度は約6000度で、このエネルギー源が、問題文にある核融合反応である。太陽は典型的な主系列星で、 その組成はほとんどが水素(約70%)であり、その次に核融合反応でできたヘリウム(約20%)が占めていると考えられている。]

  14. 太陽表面に現れる黒点は周囲よりも表面温度が低い場所である。黒点の数は約11年周期で増減し, 黒点の数が多いときには太陽活動が沈静化する傾向にある。

    [× 黒点の表面温度は約4000℃で,周囲よりも低いことは正しい。しかし,黒点が現れるのは, 太陽活動が活発になるためといわれている。これは太陽活動が活発になると,太陽の磁場が熱の対流を妨げるため,表面温度が下がるため, と考えられている。]

  15. 太陽活動が活発なときには,巨大な太陽フレアが観測されやすく,これに伴い,地球では通信障害であるデリンジャー現象やオーロラが観測 されることが多くなる。

    [○ フレアとは太陽表面での爆発のことで,黒点が発生すると,その周囲で見られることが多い。 このとき,多くのX線や荷電粒子が発生し,地球では,問題文にあるとおり,デリンジャー現象やオーロラなどが観測される。]

  16. 太陽を構成している元素は,90%以上がヘリウムで,その次に水素が多い。この割合は,核融合反応によって, 徐々に水素が増える傾向にある。

    [× だいたい水素が3/4,ヘリウムが1/4と考えてよい。核融合反応は,水素原子からヘリウム原子がつくられる反応なので, 核融合反応によってヘリウムの量が増えることになる。]

  17. 太陽系の惑星軌道の木星と土星の間に,数多くの小惑星体がある。これらのほとんどは非常に小さいが, 最大の小惑星であるケレスの直径は,地球の月よりも大きい。

    [× 小惑星群は火星と木星の軌道の間にある。ケレスは,この位置(メインベルト)にあるものとしては 最大であるが,それでも月よりはかなり小さい。なお,最近では,海王星軌道よりも外側にさらに小惑星群が見つかっており(エッジワースカイパーベルト), こちらでは,ケレスよりも大きな小惑星が見つかっている。]

  18. 月は地球の衛星である。月は常に地球に対して同じ面を向けているが,これは地球の自転周期と 月の自転周期が一致しているからである。

    [× 月が地球に対して同じ面を向けている理由は,月の自転周期と月の公転周期が同じだからである。 ここでいう,同じ面を向けている,というのは,たとえば日本ではいつ月を見ても,月にウサギが見えていることを指している。]

  19. 太陽,地球,月がこの順に一直線上に並ぶときに起こるのが日食である。 つまり,太陽に地球の影が当たるため,太陽の形が欠けて見える。

    [× 日食は,太陽,月,地球がこの順に並ぶ場合に起こる。これは,太陽の前を月が横切るため,地球に月の影ができ, この影の中に入った地域で,太陽が欠けて見える現象である。月の大きさは,地球に比べると小さいため,日食の頻度は決して小さくないが, 観測できる場所は極めて限られる。なお,似たようなものとして,金星,水星が太陽の前を横切る,太陽面通過という現象もある]

  20. 空気中の水蒸気量にほとんど変化がない場合,湿度は朝方に最も低くなり,昼間に高くなる。

    [× 飽和水蒸気量は,温度が高くなると高くなる。従って,湿度は,気温の低い朝方が高く, 気温の高い昼間は低くなる。]

  21. 梅雨の季節になると,日本列島の上空を東西に閉塞前線が伸びることになる。 この閉塞前線に向かって北東のしめった季節風が吹き込むため,日本列島は長い雨期となる。 この前線を梅雨前線という。

    [× 梅雨前線は,閉塞前線ではなく,停滞前線である。これは,北のオホーツク海気団(オホーツク海高気圧) と南の小笠原気団(北太平洋高気圧)の境界線に伸びる前線である。一方,閉塞前線とは,温帯低気圧の中心から伸びる 寒冷前線が温暖前線に追いついてできたもので,冷たい空気の上に暖かい空気がのっている形になる。 また,梅雨の場合,あまり強くない雨が長く降り続くことが特徴だが,前線上を低気圧が通過する際, 前線に向かって南から湿った空気が入ると大雨になる。これは特に梅雨末期に顕著に見られる。なお,東北北部は梅雨の時期がはっきりせず, 北海道にはほぼ梅雨はないといってよい。]

  22. 冬型の,縦縞の間隔の広い等圧線で表される西高東低の気圧配置が強まると,北西の季節風が強く吹き込むため,日本海側では雪,太平洋側では乾いた晴天に なる場合が多い。一方,この時期,東北及び北海道にはオホーツク気団(高気圧)からの東風,あるいは北東の冷たい風が吹き込むことがある。 これは「やませ」と呼ばれ,農業に大ダメージを与える。

    [× 冬型の気圧配置では,縦縞の等圧線の間隔は狭く,そのため,強い北西の季節風が日本列島に吹き込むことになる。 この風は,日本海を渡る間に水分を吸収するため,日本海側には大雪をもたらし,一方,越後山脈などの脊梁山脈を越えるときに水分を放出するため, 太平洋側には乾いた季節風をもたらすことになる。ただし,高い山のない名古屋近辺などでは太平洋側でも大雪になることがしばしばある。 一方,「やませ」とは東北北部,北海道に吹く北東の冷たい季節風であるが,これが吹くのは「初夏ないし夏」のことである。 冬型の場合,オホーツクには強い低気圧があるため,むしろ風は吹き込むことになる。 ]

  23. 北半球の台風による風は,地表付近では中心に向かって反時計回りに吹き込んでいるので,台風の進行方向の左側では 右側よりも強い風が吹く。

    [× 右側の方が強い風が吹く。これは,台風の進行方向と風の方向が一致して強めるからである。]

  24. 海水は陸地よりも比熱が大きいため,気温の高い日中は暖められた陸地側に上昇気流が発生し,海から陸へと海風が吹き, 朝や夕方では,逆に陸から海へと陸風が吹く。この風向きが変わる頃,風がやむ状態を凪(なぎ)という。

    [○ 問題文の通りであるが,暖められた空気は軽くなり上昇気流が発生し,冷やされた空気は重くなり下降気流が発生する。 このような空気の動きは,大気の大循環を考える際などでも基本となる。]

  25. 赤道付近の海流が弱くなりペルー沖の東太平洋の海水温が異常上昇する現象を「エルニーニョ現象」という。 これにより,異常上昇した海域から熱風が吹き出し,貿易風(東風)が強まるため,世界的に異常気象が発生する。

    [× エルニーニョ現象は本文にあるとおり,赤道付近の東太平洋の海水温が上昇する現象である。 しかし,海水温が上昇すると,その付近の空気が暖められ上昇気流が発生するため,むしろ高温域に向かって風が吹き込むことになる。 したがって,貿易風はむしろ弱められる(西側の海水温の方が低いため,温度の低い西から東に向かって西風が吹くことに注意せよ)。 この点が誤りである。エルニーニョ現象については過去の国家I種の問題が詳しく,参考になる。なお,これとは逆に,東太平洋の海水温が下がる現象を 「ラニーニャ現象」という。この場合は,貿易風は強められることになる。]

  26. 台風は,ほぼ赤道上空で,強い日射によって起こる激しい上昇気流を原因として発生する。 その後の動きは周囲の高気圧の状況によって変わるが,夏台風の場合,秋台風以上に,日本のやや南まで来て,進路を東寄りに変える傾向が強く, そのため,8月は台風の日本への上陸数が最多となっている。

    [× 台風は,赤道よりはやや北よりの北緯5〜25度付近で発生し,むしろ赤道上空での発生は少ない。 これは,赤道近辺では,コリオリの力(転向力)が弱いためと考えられている。なお,問題文では,発生原因を日射としているが, これもはっきりしていない(ただし,海水温が高く,コリオリの力が働くことが必要ではある)。また,夏台風は,秋台風ほどには進路がはっきりしておらず, 迷走することが多い。最も上陸数は8月が最多で,9月がこれに続く。]

  27. 台風は,転向力の作用などによって北半球では中心に向かって反時計回りに渦を巻いている。 そのため,日本付近では台風の東側では,これに台風の進度の影響が加わり,西半分よりも強い風が吹く。 そこで,台風の東側を危険半円とよぶ。

    [○ その通りである。台風は熱帯低気圧の内,風力の強いもののことで,その進行方向は そのときの気圧の谷の位置などによって変化するため,予測は難しい。]

  28. 北半球で見ると,赤道付近で上昇し,その後北上した後加工し,南へ戻るという空気の循環がある。 これをハドレー循環といい,南に戻るときには,転向力によって曲げられて北東貿易風となる。

    [○ 赤道付近では上昇気流によって低気圧が発生しやすくなり,したがって熱帯雨林気候となり, 下降気流の部分は,高気圧帯となるため乾燥し,砂漠気候となる,と説明できる。]

  29. 地震波には,初期微動を起こすP波と主要動を起こすS波,表面波がある。このうちP波は縦波,S波は横波である。

    [○ その通りである。P波はPrimary waveの頭文字,S波はSecondary waveの頭文字から取られている。 また,表面波にはラブ波とレイリー波がある。]

  30. ある地震波を地球各地の様々な場所で観測すると,P,S波両方が観測される領域,両方ともほとんど観測されない領域, P波のみが観測される領域が見られる。この最後の領域が現れる理由として,縦波であるP波が液体であるマントル中では伝わらないことが あげられる。

    [× 理由の部分が間違っている(文章の流れからも明らかにおかしい)。縦波であるP波は固体と液体の両方を 伝わるが,横波であるS波は液体中は伝わらない。地球の内部構造の内,地殻,マントル,内核は固体であると考えられているが,外核は液体であると考えられる。 そこで,最後のようにP波のみの領域が現れるのである(実際には,これは話が逆で,このような領域が見られるから,核が液体であると考えられている)。]

  31. 地震の揺れの程度を表すものを震度といい,震度1から震度7までの7階級に分かれている。

    [× 震度は全部で10階級である。まず,震度0があること,及び,震度5と6は, それぞれ震度5弱,5強と震度6弱,6強に分かれていることに注意してもらいたい。]

  32. 地震には活断層が原因となる直下型地震と,プレートのひずみが原因となるプレート境界型地震がある。 直下型地震は,プレート境界型地震に比べるとマグニチュードは大きくならない場合があるが,震源が浅かったり都市部に近かったりするため, 揺れは必ずしも小さいとは限らず,被害も大きい場合がある。

    [○ その通りである。たとえば,関東大震災,阪神淡路大震災は直下型地震である。 一方,予知が研究されている東海地震はプレート境界型地震である。]

  33. 地震には活断層が原因となる直下型地震と,プレートのひずみが原因となるプレート境界型地震がある。 直下型地震は,プレート境界型地震に比べるとマグニチュードは大きくならない場合があるが,震源が浅かったり都市部に近かったりするため, 揺れは必ずしも小さいとは限らず,被害も大きい場合がある。

    [○ その通りである。たとえば,関東大震災,阪神淡路大震災は直下型地震である。 一方,予知が研究されている東海地震はプレート境界型地震である。]

  34. 活断層は,新生代第四紀以降に活動し,さらに今後も活動する恐れのある断層を指す。日本付近で起こるほとんどの大地震の原因が活断層であり, 活断層による地震の震源の深さは,太平洋側では浅く,日本海側に行くに従って深くなる。

    [× 第一文は正しい。しかし,地震にはこのほかプレート境界で発生するものがあり,後半の記述は, プレート境界で起こる地震についてのものである。]

  35. 津波には水深の深いところでは非常に速い速度で伝播し,海岸に近づき水深が浅くなると速度は遅くなるが,波高は高くなる。

    [○ その通りである。津波は主に断層のずれが海底にまで及んだ場合に発生する。 場合によって大きな被害をもたらすことがあり,最近では2004年のスマトラ島沖地震で死者20万人以上が出ている。 日本でも,明治三陸地震で2万人以上の死者を出したことがある。津波は遠くまで伝播することがあり, 実際1960年のチリ地震では,地震発生後約1日かけて日本に津波が押し寄せ,100人以上の死者が出ている。]

  36. 地層の年代を特定するのに役立つ化石を示準化石という。狭い地域に広い年代にわたって生息した生物の化石が, 示準化石として優れている。

    [× 前半は正しい。後半は逆で,広い地域に狭い年代に繁殖した生物が望ましい。]

  37. 正断層は地盤に圧縮力が作用することによってでき,逆断層は,地盤に引っ張り力が作用することによってできる。

    [× 逆で,圧縮が逆断層,引っ張りが正断層である。このほか,横ずれ断層がある。]

  38. プレートテクトニクスの考え方によると,マントル上部には,一部が溶解状態となっているアセノスフェアという部分があり, この上にリソスフェアと呼ばれる部分が乗っており,移動している。この移動している部分がプレートと呼ばれている。

    [○ その通りである。日本付近には,太平洋プレート,フィリピン海プレート,ユーラシアプレート, 北米プレートの4つのプレートがある。]

  39. 海洋地殻と大陸地殻を比較すると,海洋地殻の代表的岩石は花崗岩,大陸地殻の代表的岩石は玄武岩であり, 重くて厚い海洋地殻の上に,軽くて薄い大陸地殻が乗っている状態になっている。

    [× 全く話が逆で,海洋地殻の代表が玄武岩,大陸地殻の代表が花崗岩である。 そして,軽くて厚い大陸地殻が,重くて厚い海洋地殻の上に浮いたような形で乗っている。]

  40. 地殻の厚さは,高山地域で厚く,海洋地域で浅くなっている。この地殻はマントルの上に浮いた状態 で釣り合った状態にあると考えられ,この釣り合いをアイソスタシーという。

    [○ 正しい。たとえば,スカンジナビア半島は割と速い速度で隆起しているが, これは,氷期に存在した厚い氷がなくなって重しがとれたようになったため,と説明される。]

  41. 地殻に含まれている元素のうち,最も多いのが炭素で,その次にアルミニウムが多い。

    [× 最も多いのが酸素で,次がケイ素である。この2つは二酸化ケイ素の形で結びついていることが多い。 その次がアルミニウムで,さらにその次が鉄である。]

  42. 盾状火山は,粘りけの弱い玄武岩質の黒い溶岩からなっている。代表例とし,ハワイのマウナロワ火山があげられる。

    [○ その通りである。日本に典型例はないが,三宅島がこれに近い。 溶岩を出しながら何度も噴火するため,爆発の勢いは,山体自体を破壊することすらあり得る鐘状火山と比べると弱い。]

  43. 盾状火山は,玄武岩質で粘性の低いマグマの噴出により,溶岩流が広く流れ出して形成されるため, 傾斜のゆるい山となり,噴火が繰り返し起きてできた面積の広い火山が多い。 代表的なものにハワイ・マウナロア山がある。

    [○ その通りである。前問参照のこと。]

  44. 海洋プレートが沈み込むときに,プレート間の摩擦により発熱が起こり,岩石が溶けてマグマが生じる。 火山はマグマがたまった上部に発生すると考えられている。我が国では多くの火山が帯状に分布しており,火山帯の西側のへりは 明瞭な線で結ばれ,火山前線と呼ばれる。

    [× プレートの沈み込み帯でマグマが生じるのは,プレート間の摩擦ではなく, 沈み込み帯でのプレートが水を含み,これによって岩石の溶解温度が下がるからである。]

  45. 河岸段丘は,川の侵食と堆積の繰り返しによりできる地層で,低い段丘面の方が,川によって削られて地表に出てきているため, 古い地層となっている。

    [× 河岸段丘は,川の堆積作用によって地層が形成された後,一体が隆起し,その後川の侵食作用によって 地層が削られ,やがて堆積が起きて平坦な地層が形成される,ということを繰り返してできた地層である。 したがって,高い段丘面の方が,古い隆起によってできたものであるため古くなる。]

  46. 潮汐は,太陽や月の起潮力によって,海面が周期的に上下する現象である。

    [○ その通りである。]

  47. 通常,1日に干潮と満潮は2回ある。特に,満月及び新月のときには満潮と干潮の潮位差が大きい大潮となる。 一方,上弦,下弦の時には小潮となる。

    [○ その通りである。潮汐は,地球の(月との共通重心の周りの)遠心力と月の引力が作用して起こる現象である。 さらに,太陽,月,地球が一直線となる満月,新月の時には,太陽の引力の影響もあって,干満の潮位差が大きい大潮になる。]

人文科学(倫理)
  1. 古代ギリシアでは,自然や世界は理性(ロゴス)が支配していて,人間の理性でこれを解明しようとする人々が現れた。 たとえば,タレスは「万物は火である」とし,ヘラクレイトスは万物の根源が「水」であると考え,「万物は流転する」と考えた。

    [× 第1文は正しい。第2文でタレスは万物の根源が「水」に,ヘラクレイトスは「火」と考えた に直さないといけない。この他,エンペドクレスは万物を「火,空気,水,土」の4元素からなるとし,デモクリトスはそれ以上分割不可能な 「原子」からなる,とした。]

  2. ソクラテスは相手との問答を通して真理を追究する問答法を用いて真理を追究した。 そして,人間は「善美の事柄」については無知であるという「無知の知」こそ人間的な知であると説いた。

    [○ その通りである。善美の事柄とは,人間にとって最も大切なこと,というような意味である。]

  3. ソクラテスは,「勇気とは何か」「正義とは何か」と問いかけることにより,真理を追究しようとした。 彼は70歳のときに死刑となったが,彼自身の教えは,彼の著作である『ソクラテスの弁明』で明らかとなっている。

    [× ソクラテスが死刑になったことは正しいが,彼の言葉を伝える『ソクラテスの弁明』は, プラトンの著作である。なお,こうしたソクラテスの問いかけは,たいていの場合,最終的に回答不可能となる。そこから人々は無知の知を 悟る,とするのがソクラテスの教えであった。]

  4. プラトンは現実に認知される個々のものはその存在の根拠(イデア)をもっていると考え,それがイデア界に存在しているとした。 そして,人はおれを理性によって,認識していると考えた。

    [○ その通りである。このように現実界とイデア界の2つの世界があると考える二元世界論が プラトンの考えであった。]

  5. プラトンが理想主義的だったのに対し,その弟子のアリストテレスは現実を重視して,プラトンのイデアを批判した。 アリストテレスは,魂と肉体を分けて考える二元論をとり,人間が卓越している点(徳)を,魂の理性的機能(知性的徳)に求めた。

    [○ その通りである。知性的徳には知性と思慮があり,思慮が正しいかどうかは それが極端に走っていない,つまり中庸であるかどうかが基準になるとした。]

  6. アリストテレスは,国家形成の原理として,友愛と正義をあげた。彼は国制を「君主政」「貴族政」「共和政」に分け それぞれの腐敗した形として「独裁政」「寡頭政」「衆愚政」をあげたが,もっとも中庸を得た優れた国制を,名君により一つの方向に国を引っ張る「君主制」 に求めた。

    [× アリストテレスがもっとも中庸を得た国制としたのは「共和政」である。アテネの民主政治がこの一例となるはずだったが, やがて衆愚政の堕落していった。この他,途中に出てきた「正義」に関して,アリストテレスは,これをポリスの法を遵守するという全体的正義と部分的正義に分け, 後者を,その働きと報酬がつり合うようにするという「配分的正義」と,貸借のように,何かをしたときに,それを返さなければならない,と言った「調整的正義」に分けた。]

  7. キリスト教とイスラム教は,人間を超越した絶対神から授かった啓示として真理が語られるが,仏教では, 人間が悟りを開くことで真理を得る,とする点で違いがある。

    [○ キリスト教,イスラム教,仏教は三大世界宗教とされている。キリスト教は,イエスをメシアと考え,その復活を信じた人々によって 成立した。また,イスラム教は,啓示を受けたムハンマドによって6世紀に成立した。アッラーを唯一神とする一神教である。仏教は悟りを得たブッダによって, 紀元前4世紀頃に成立したとされている。]

  8. 孔子は,仁と礼を重んじ,これをそなえた君子の徳によって国を治める「徳知主義」を唱えた。 「大道廃れて仁義あり」という言葉にこれが現れている。

    [× 第1文は正しい。しかし,「大道廃れて仁義あり」という言葉は儒教を批判した老子の言葉で, 道が廃れることによって,初めて仁義が強調されるのだ,という仁義に対する批判である。なお「徳知主義」に対して法で国を治める考え方が 韓非子を代表とする法家の「法治主義」である。]

  9. 孟子は,孔子をを崇め,孔子の教えを自らの考えで深めようとした。その代表例が, 「人の性は悪,その善なる者は偽りなり」とする性悪説である。

    [× 第1文はよいが,性悪説を唱えたのは荀子である。むしろ孟子は「人の性の善なるは,猶水の下きに就くがごとし」 として,性善説を唱えた。]

  10. 韓非子は,君主は臣下を厳格に使役し,個人的な能力や才能におごらず,時代の変化に対応できる法を制定・周知し, これにより,信賞必罰を実行するべきなどとし,法治主義を主張した。

    [○ 韓非子は,法家の代表的思想家であり,秦の始皇帝に仕えたが,毒殺されている。 法家の代表的思想が法治主義である。]

  11. 墨子は厳格に規律に従う集団を営んだ。彼の思想は天の意志に基づく兼愛,つまり,無差別・平等の博愛,功利主義に基づく倹約を柱とした。

    [○ その通りである。また,侵略戦争を否定する非攻を主張した。]

  12. ベーコンは,「知は力なり」といい,論理的に自然法則を導き出す「演繹法」を提唱した。

    [× ベーコンが提唱したのは,実験・観察を通して自然法則を導き出す「帰納法」である。]

  13. ベーコンは,自然現象を正しく把握するために,偏見・迷信等を排除するべきだと主張した。 そして,このような偏見・迷信等を,種族・洞窟・市場・劇場の四つに分類した。

    [○ ここで取り上げた偏見等を「イドラ」という。ベーコンの主張は,このイドラを排除すべきだ,ということである。]

社会科学(政治・法律)
  1. 日本の参議院選挙では,非拘束名簿式比例代表制が採用されている。これは,衆議院選挙における拘束名簿式比例代表制と異なり, ドント方式で各政党別の議席数が決定した後,政党内部では得票数の多い立候補者から順に当選することになっている。 この方式では,投票用紙には,立候補者個人の名前を書かなければならない。

    [× 間違っているのは,立候補者個人の名前を書かなければならない,というところで, 政党名を書いてもよい。この場合,政党への得票としては数えられるが,その後,政党内での当選順位の決定には,数えられないことになる。 これに対して,拘束名簿式比例代表制の場合,あらかじめ政党が届け出た名簿の順番に当選者が決定されることになる。 この方式のメリットとしては,一般に,死票が少なくなること,政党のみならず,個人に対して投票が可能になることがあげられる。 一方で,高い知名度を利用したタレント型立候補者が増えるのではないか,というデメリットもあげられている。]

  2. 法律案に関する衆議院と参議院の議決が異なる場合,必ず両院協議会が開かれ,そこで成案が得られた場合には, 再び議決をとるが,得られない場合には,衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で可決すれば,法律となる。

    [× 必ず両院協議会が開かれなければならない場合は,予算,条約の承認, 内閣総理大臣の指名の3つの場合である。法律案の場合にも開かれる場合があるが,必要ではない。]

  3. アメリカの大統領選挙では,大統領は国民の直接選挙によって4年間の任期で選ばれる。

    [× アメリカの大統領選挙は,形式上間接選挙になっている。つまり,国民は投票によって,大統領を決定する投票権をもつ 選挙人団を決定し,選挙人団が大統領を決定することになる。もっとも,選挙人団の投票は,各州の結果に事実上拘束されているため,ほとんど直接選挙に近い形となっている (もっともこの拘束は法律上・憲法上のものではない)。多くの州では,その州内で勝利した候補者の側が,選挙人を総取りする方式をとっている。 この選挙人の数は,各州の人口に比例した形に近いが,完全な人口比例ではない。]

  4. アメリカの大統領には,連邦議会を通過した法案に対する拒否権が認められている。 大統領が拒否権を行使した場合,上院,下院共に3分の2以上の再可決を経れば,大統領の署名なしに法律となる。

    [○ アメリカの大統領には,法律に対する署名の拒否権が認められている。 両議員による再可決も認められてはいるが,実際に再可決された例は,全体の中ではわずかである。]

  5. アメリカの議会制度では,上院は各州ごと同じ数の議員が選出されているのに対し,下院では,およそ人口に比例した形で, 各州ごとに決まった異なる数の議員が選出される。

    [○ 上院は各州から2名ずつ,下院では人口比例で決められた定数だけ選出されている。 なお,2009年3月現在で,上院,下院ともに民主党が過半数を占めている。 なお,オバマ大統領も民主党である。一方,ブッシュ前大統領は共和党である。]

  6. フランスの大統領選挙は,国民の直接選挙の形式で行われる。 1回目の投票では,票数の多い2名の候補者が決定され, 2回目の決選投票で,この2名の中から多くの得票を得た候補者が大統領となる。

    [× 決選投票は必ず行われるわけではなく, 1回目の投票で有効投票数の過半数を得票した候補者がいない場合のみに,上位2候補者の間で行われる。]

  7. イギリスは議院内閣制を取っている。イギリスの議会は上院と下院に分かれ, 下院は小選挙区制による直接選挙によって議員が選出されているが,上院は貴族院となっており, 直接選挙は行われていない。首相は下院の指名によって選ばれるが,慣習法により, 下院の議員の中から選ばれることになる。

    [○ 正しい。イギリスはいわゆる憲法典をもたず, 慣習法,制定法などによって憲法典に相当する内容が定められている。 したがって,いわゆる軟性憲法(改正が法律と同等に行える)とされている。 長い間二大政党制(労働党,保守党)であったが,現在では,自由民主党が勢力を伸ばしほぼ三大政党に近い形となっている。 現在のブラウン首相は労働党である。]

  8. ドイツの国家元首は大統領であるが,これは形式的・儀礼的な職務である。 行政府の長は首相であり,首相は下院から選出される議院内閣制がとられている。 議会は,比例代表制の直接選挙で選ばれる下院と,各州政府から派遣される上院に分かれている。 現在の首相は,ドイツ社会民主党のシュレーダーである。

    [× ドイツの政治の仕組みについては正しい。 ただし,シュレーダーは前首相であり,現在の首相はメルケルである(2005年以降)。 なお,ドイツは現在6つの政党が議席をもっているが,ナチスの反省から,ある程度の得票がないと 議席がもてない選挙制度をとっている。]