国家総合職試験〜教養試験
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最終更新 2014.1.13

教養試験について

教養試験は,1次試験でマーク式で行われます。朝早くなので,うまく頭を働かせる必要のある試験です。 全問必須の問題となっています。

教養試験の問題は大きく分けると,文章理解,数的・判断推理を合わせた,「一般知能」と, 自然科学,人文科学,社会科学の「一般知識」に分かれます。まずは問題数を紹介しましょう。

教養職の教養は2つの試験に分かれる。また,一定の基準点(4割と思われる)に到達していないと, 専門の点数とは無関係に不合格となる(足きり)。

1次試験だけを見ると,院卒試験,大卒試験いずれも配点は,教養:専門=2:3となっています。 教養職は教養試験のみで1次試験の合否が決定されます。 以下は,教養職については除外して述べることにします。

採用抑制方針による注意

採用抑制方針がとられる可能性があることが報じられてきます。 そのため,2014年試験は2013年試験よりも難しくなる可能性がありますが, 民主党政権時代の2010-12の3年間まで戻る可能性は低いと思います。 ですので,昨年合格者の合格体験談は,少し割り引いて聞いた方がいいかもしれませんが, 大きな違いもないのではないかと思います。

教養試験の対策方針

教養試験対策で忘れてはいけないことは,この試験が「あるレベルに到達すると伸びにくくなる」という 性質を持っていると言う点です。 たとえば,今後数的・判断がどのレベルの出題になるのかはわかりませんが,ここで8割, 英文を確実にとって,文章理解も9割,自然科学のうち専門に関係する3問程度を確実に取れるとして, この時点で,大卒試験なら26/40,院卒試験なら22/30になります。 もちろんこの点数は合格点に十分に入っているのですが,ここから更に伸ばそうとすると, 人文や社会科学の1科目を勉強してようやく1点か2点という状況です。 しかも,配点は専門の方が1.5倍です。 つまり,あるレベル以上は,教養試験は非常にタイムコストパフォーマンスが悪くなるのです。 それは上の見積もりだと,大卒試験で6割5分,院卒試験で7割程度のところにあります。 現実にはなかなかこの点数には到達できないのですが,そうだとしても,6割程度に到達すると, それ以上はどうしても限界が来てしまいます。

一方,数的・判断は理系の場合には,勉強を始めればなじみやすい科目ですし, なんと言っても4割を切ってしまうと,問答無用で不合格にされてしまいます。

そこで,教養試験は,できるだけ早く,確実に足きりラインを余裕をもって 超えるレベルに到達することが目標になります。 目安としては,5割をとれる実力,でしょうか。ただし,問題が易しいときや, 倍率の高い職種では6割を確保できるように軌道修正が必要です。

いずれにしても,専門の方が,勉強次第で高得点が取れるようになっています。 ですので,教養は勉強しすぎないように,戦略を練ることが大切になるのです。 以上と,問題数を考えると,次のように言えます。

文章理解の対策方針

文章理解はすべて長文読解となりますが,総合職の場合,文章理解のほとんどが英文の出題になると考えられます。

英文は最近の傾向に従えば,150-400語程度の英文が出題されます。 ただし,英文のレベルには大きな違いはありません。 ほとんどが雑誌やニュース記事です。普段からNewsweekやJapan Timesを読んでいる人には なじみの文章になりますね。

いずれにしても,長さ以外には問題間にレベル差がないため,解ける人は満点をほぼ確実に期待でき, 解けない人は全く解けない,という状況になります。 合否を分ける大きな科目と言えるでしょう。

とはいえ,継続的に勉強しないとなかなか伸びないのも英文の特徴です。 過去の国家2種,国家1種の問題を少しずつ読みこなし,単語レベルも上げていくことが大切です。 この辺りは根気ですね。

もう一つ,英文で大切なのは,読む時間です。 読む時間をかけすぎると,判断・数的の時間が足りなくなります。 過去問で,自分が問題を解く時間をチェックして,あらかじめ何問ほど解けそうか, チェックすると良いでしょう。

ちなみに,僕が受験生の時には,どの時刻から読み始め,どの時刻でやめるのかを 事前に決めていました(当時は今よりも長い文章でした)。 こうした受験戦略を立てることも大切ですね。 (数的・判断は蓋を開けてみないと分からないことも多いのですが,英文は事前に問題を解いてあれば, 例年大きな食い違いはありません)

数的判断の対策方針

数的判断は,技術系の人にはなじみやすい科目だと思われます。 とはいえ,過去の国家I種は数年ごとに大きく傾向を変えてきており, 今後どうなるのかは,なかなかわからないところです (難易度が突然上昇したことがありました)。 ただ,最近の傾向だと,国家II種と大きな違いが見られない,というのが 実際のところです。

特に,判断推理,空間把握は,独特の解き方があります。 そこで,最初の段階では,地上国2の問題集でパターンをおさえておくことが有効です。

個人的におすすめの参考書は,畑中先生の問題集です。 ただ,どうしても自分に合うものが別にあったり,予備校で問題集をもらっていて, 他に必要を感じないのであれば,それでもよいでしょう。

パターンをおさえた上で,国家I種の過去問や,国税・労基の過去問で,難しめの問題にチャレンジすると よいと思われます。

いずれにしても,重要科目ですので,スケジュールを決めて,継続的に勉強していくことが 大切になります。

一般知識の対策方針

一般知識は大幅に問題数,問題割合が減少しますので,対策は難しくなります。 いずれにしても,わずか1点のために1科目を勉強するのは非常に非効率です。 ですので極力勉強したくないところです。

ただし,例外もあって,トップ近くで合格したい人,文章理解に全く自信が無い人, 化学職のように倍率が異様に高い人は,ある程度対策をしておいた方が無難と言えます。 とはいえ,それも時間との兼ね合いです。なんと言っても専門を勉強した方がよほど効率的だからです。

実は,一般知識とは言え,その中で時事が3問出題されます。 さらに,社会科学も実質的には時事要素が強いため,大卒試験で4-6問,院卒試験では4問が時事問題と 言ってよいくらいです。ですので,優先的に勉強するとしたら時事になると思います。 とはいえ,時事はばくち的要素が強く,確実な点数の望みにくい科目です。 「速攻の時事」などで,短期集中でおさえるのがよいと思います。

自然科学

大卒試験で3-4問,院卒試験で1問の出題が予想されます。 それに対して,科目数が数学,物理,化学,生物,地学の5つですので,明らかに問題数が足りていません。 H.24-25の試験では,一般職,専門職を含めても数学の出題はありませんでしたので, 数学の出題はないと考えてもよいでしょう(もちろん可能性ゼロではありませんが, その場で対処できる範囲で対処すれば良いでしょう)。 残りの4科目から3問が出題されます。地学が外されることが多いようですが, 地学が出題され,物理や生物が外された試験もありましたので,

一般には,技術系の場合,無対策でもある程度点数が期待できるはずなのですが, それも何が出題されるかによって変わります。 物理の計算は工学の基礎があれば対策はいらないと言えます。

ですので,基本は,高校で勉強した科目+時事的な話題をさらう程度になると思います。 予備校の講座をとっているのであれば,その講義に出席して,あとは負担のない範囲でとるべきでしょう。

人文科学の対策方針

人文科学は,日本史,世界史,地理,思想,文芸の5科目ですが,問題数は大卒試験で3-4問, 院卒試験で1-2問ですので,明らかに問題数が足りていません。

H.24-25では,日本史,世界史,思想は共通して出題され,さらにH.25のみ地理も出題されました。

過去の経緯も考えると,日本史,世界史,思想はかなりの確率で出されるのではないかと思います。 この中で勉強しやすいのは思想です。余裕があれば地理を見てもいいのですが, そもそも出題されないかもしれません。

社会科学の対策方針

法律・経済が出題の中心でしょうが・・・過去の傾向から見ると,国家公務員試験の社会科学は 時事的な問題が何割かを占めていました。そのため,ここも法律経済に立ち入ることなく, 時事の対策だけしておくとよいと思います。面接対策にもなりますしね。 もちろん,大学で法律・経済も勉強していて得意な人はまた別なのですが

以下は古い内容です

国家I種 数的判断の過去の出題変遷

国家I種の数的判断は,他の試験と異なり,大きく傾向を変えてきた歴史があります。 ここで過去問を解くための豆知識として紹介しておきましょう(年は少しずれているかもしれませんが, ご勘弁を)。

H.8まで

国家II種とあまり変わりないパズル型問題で, 難易度の高さだけが違いでした。空間図形では,毎年のように正多面体が出て, この問題では,少しひねったものも見られました。ちなみに,この当時は 一般知能も選択制でした。

H.9-12

それは突然訪れました。 H.9の受験生は,数的の問題を見て絶句したそうです。 「新傾向問題」時代です。試験問題の題材が,単なるパズルではなく, 現実に起こりうるところからとられ,しかも問題文が全体的に長文だったのです。 難易度自体もやや高めで,ほとんど手も足も出なかった受験生が多かったとか。 また,見た目に特徴があるため,どう対策を取って良いのかわからず, しばらく数的は敬遠される時代が続きます。 実際には,従来の数的とあまり解き方に違いはなかったのですが・・・ いまではこれも旧旧旧傾向になってしまいましたが。 ちなみに,この時代の途中から,一般知能が全問必須となり,時事問題も加わってきます。

ちなみにこの頃の問題が見たい人は以下のリンクへ

問題その1その解答問題その2その解答

H.13-16

「新新傾向」とも言うべき時代です。 現実的な題材は影を潜めたのですが,逆に,高度に数学的な出題ばかりになり, 非常に解きにくくなっていました。実際,僕のページで見れるH.14,15の教養の 平均点は非常に低いですよね。 ちなみにこの頃,僕は国1の数的の講義を持っていて, 「どうやって教えようか」苦慮したことを覚えています。 リーマン球面が出たり,東大理系の2次試験と同一の問題が出たり・・・。 更にこの頃,過去問が公開されるようになり,各予備校が過去問集を出したりしたのですが, 某予備校は解答が間違っていたりして(解答番号だけは合っていますが), 各予備校の本当の実力が試された時代でもありました。 そうそう,この時期は,英文も難しかった頃です。 1問で600語(今の一番長い英文でも400語程度)で,しかも選択肢も英語とか・・・。 その他,職種が再編され,「理工I」などの今ではおなじみの職種が作られたのも このときです。

ちなみにこの頃の問題が見たい人は以下のリンクへ

問題その1その解答。 ただ,この問題は,選択肢の1つにすぎませんし,「新新傾向」の中では, 易しい問題になりますけどね。こんなものではなかったですよ,ほんとに

H.17-22

再び難易度が下がり,従来のパズル型の出題が増加し,結局H.7以前の「旧傾向」に立ち戻った のがこの頃です。この時期,国家II種,国税の数的のレベルも徐々に下がっていきましたが, 国家I種の問題の難易度も下がりました。全体としては,H.7以前よりも易しいかもしれません。 少し前,たとえばH.17とかH.21は本当に易しかったです (今の問題しか知らないと,そうは思わないかもしれませんが)。 ただ,難易度も安定していましたし,ある意味対策が一番有効だった時代かもしれません。 結局,「新傾向」「新新傾向」の8年間は何だったのか,という感じです。 予備校の対策講座が洗練されてきたのが,H.9ではなかったかと思うのですが, 「パズル対策が通用しない,本当の論理的思考力を問う」はずだった新傾向問題が, 結局はうまくいかなかった,ということでしょうか? ただ,現在も残るOR的問題は,当時の名残と言えるかもしれません。

H.23-

その1年前のH.22から国家II種では兆候が見られたのですが, 難易度が少し上がりました。中にはかなり難しい問題も含まれています。 H.22まで易しかったことへの揺り戻しなのかもしれません。 ただ,全体としては,やはり旧来のパズル型問題の延長線上にあることは確かです。

H.22数的・判断感想

昨年は全体的に易しかったのですが,あまり変わらないのかなあ,という感じです。 ただし,判断がやや難しくなっていますので,少し差がつきやすいセットかもしれません。 推論で解くとなると難しい問題も,手数でも解けるようになっていたりして, 何とか点数がとれるように,との出題者の配慮でしょうか。 資料解釈が計算のいらない問題になっているところも,少し驚きでしたが, 全体的には,ここで点数を稼いでおきたいところです。

H.21数的・判断感想

数的・判断の10問の感想です。解答もつくろうかなぁと。 一時期に比べると本当に簡単になったなあ,という印象です。 これなら,地上・国2の問題集を使って対策をした方がよいでしょう。 とはいえ,さすが国I。簡単とは言っても,スパイスがきいていて,うっかり間違えやすい問題がかなり入っています。 個人的には,こんな出題が望ましいのではないか,と思います。 それに比べると,スパイスすらきいていない工学の基礎は・・・

解答ですが,下書き段階では間違っていないと思うのですが・・・Wordで打っているうちに変な間違いとかしそうで怖いのですが, それでも公表しておきます(あと問題の読み違いも怖いか)。間違いがありましたら遠慮なく掲示板でもメールでもいいので,指摘してください。 解答は,多少うまい方法があっても,現場に即した方法をとっています。現実的な解法,ということで。