地方上級国家一般職〜工学の基礎
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工学の基礎

専門試験の最初の部分にある数学,物理が通称「工学の基礎」と呼ばれている部分です。 問題数は各試験で異なっています。特に地方上級は様々ですが,代表的な問題数をまとめておきます。

(地方上級の総合土木職などでは,問題数が異なる場合があります)

工学の基礎の勉強方法

1.工学の基礎の考え方

まず,過去問の傾向を知ることが大切です。問題数の都合上,範囲にかなりの癖があります。その意味で,過去問研究は大切です。 そして,何よりも数多くの良問を解いていくことが大切です。もちろん,ただ解くだけでは効果が薄くなることも事実ですが, 解いていくことで,癖に慣れることができます。ただし,次に書く,数学・物理の特徴を踏まえることが大切です。

2.数学の勉強法

数学は,公式知識+計算力が大切です。つまり,高校数学で必要な論理力,発想力は国1のごく一部の例外を除いては必要ありません。 そうなると,数を解いて,知らないことを覚えていく,ということになります。 また,数学は大きく6つほどに分野が分かれますが,それぞれにあまり関連性がありません。つまり,ある特定の分野が苦手でも, 他の分野に影響しないのです。ですので,どこが得意で,どこが苦手かはっきりさせることは大切ですが, 苦手な分野を飛ばして勉強しても全く構わないと言えます。 むしろ,一から勉強して分からないところでずっと詰まってしまって先に進まない,という勉強では効率が悪いと言えます (もちろん一部の基本的計算は別です)。 数学は苦手意識を持っている人も少なくないと思いますが,公務員試験では,難しい話は出てきませんので, 計算力を鍛えるつもりで勉強していくとよいでしょう。

3.物理の勉強法

物理の場合,問題文を読んで,それから何を考えていくのか,どの手順で問題を解いていくのか,が重要になります。 市販されている問題集のほとんどがそうなっていると思いますが,ただ解答を読んでいくだけでは,学習効果があがりません。 たとえば,問題集の解答では,いきなり「運動量保存則を使う」などとなっていますが,実際には「なぜ運動量保存則なのか」 という点が大切であり,解答を読んで写すだけでは,そこは全く鍛えられません (むしろ出来た気になるだけ有害かもしれません)。 物理は,数学と違い,基礎となる法則の数が限られています。そのため,そこを避けていると,他の問題が解けなくなります。 その意味で,物理には「核」となる部分があり,まずはそこの学習が重要になります。苦手でも避けられない,というのが数学との大きな違いです。 それは力学では,等加速度運動,運動方程式,運動量保存則,エネルギー保存則などになります。 また,図の活用も重要です。 いずれにしても,問題文からスタートして,正解に至るまでの,思考過程,作業過程を理解することが大切なのです。 そこを意識していれば,少数の良問を解くだけで,物理の実力は格段に上がります。 その意味で,物量作戦がきく数学よりは,少数精鋭の物理,という感じになります (範囲は広いので,トータルの問題数はわかりませんが)。

4.専門との関連

特に物理に言えますが,工学の基礎は,単なる試験の一分野ではなく,専門試験の分野とも密接につながっており, その関連を知ることで,専門分野の勉強にも大きな影響を与えます。 その意味で,上の表の比率以上に,工学の基礎は重要なのです。

近年の工学の基礎

1.国家一般職

H.24,25の国家一般職の試験問題を見る限り,過去の問題と比べ,群を抜いて易しく, 倍率にも因りますが,正直かなりの割合を取らないと厳しいのではないかと思います。 試験範囲は,数学はほとんど高校2年生までの教科書レベルの問題で, 物理も,数学ほど極端ではないものの,例年よりも易しい問題でした。 そのため,H.24,25の工学系の平均点は,過去に類を見ないほど高くなりました。

しかし,この傾向が来年以降も続くのかはわかりません。 というのも,過去にも難易度を大きく上下させてきた経緯があるからです。 具体的には,工学の基礎の難易度が下がったのは,工学の基礎の問題数が減少した (15→13)H.20からです。 その傾向はH.22まで3年間続いていましたが,H.23は, H.19以前の難易度に戻っていました。 その中で,今度は問題数の増加と共に,難易度が大幅に下がったというのが 近年の動きです。 つまり,まとめると次のようになります(数学)。

結局,出題数を変えるごとに易しくなり,時と共に元に戻す,ということが続いている ということです。 ですので,地方上級のことを考えても,国家II種の過去問で言えば,H.19以前(またはH.23) のレベルまで押さえておくことが大切だと思われます。

なお,物理は,H.24ではやや難しい問題を含んでいました。 また,範囲は高校範囲全体からの出題でした。 ただ,全体的には,以前よりも点数の採りやすい問題が多かったと思います (ただし,H20-22は易しかったので,この頃と同じくらいと言えるでしょう)。

2.地方上級

H.14-16はほとんどとれないのではないか,と思われるような高難易度でしたが, H.17以降,ほぼ一貫して似たような難易度が続いています。 つまり,国家II種のH.19までの難易度に近い難易度で, 近年の国家II種よりは(特にH24と比べると格段に)難しい出題となっていました。

地方上級の特徴として,時々高校範囲外からの出題があることと (僕が高校生の頃の高校範囲が広かった時代の高校範囲ではあるのですが), 同じ年でも問題の難易度差が大きいことが挙げられます。 つまり,易しい問題は易しく,難しい問題は難しいというのが特徴です。

いずれにしても,国家一般職よりは難しいと考えてください。 H19以前の国家一般職の標準的な問題をしっかりとれるようにすることが大切になります。

国家一般職・地方上級の工学の基礎の出題分野

平成24年の国家一般職の出題内容,及び標準的な地方上級の出題内容を記載します。

物理職問題・解答集

テキストサンプルもかねて,H.20の物理職の問題・解答を掲載します。工学系の人も参考になる問題が含まれます。ただし,工学の基礎との共通問題は飛ばしています。 ◎は範囲内,○はやや範囲外,またはレベルの異なる問題,△はやや難しいが練習用にはできる問題です。傾向の違いは考慮していません。