地方上級国家II種〜専門試験
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目次

土木職の出題内訳

専門試験の内訳は次のようになっています。

(地方上級の総合土木職などでは,問題数が異なる場合があります)

全体的には,3力学の出題が多く,国家II種では全体の1/3(土質力学・構造力学では設計でも出題がある)があります。 問題数で言えば計画系も1/3あるのですが,科目数が計画系は,都市計画,国土計画(管理工学),交通工学,道路工学,港湾工学,河川工学,環境工学,衛生工学,防災工学, 材料工学,設計と様々であり,各科目から1問ずつしか出題されないため,効率よく勉強するためには, どうしても3力学が中心となります。 また,地方上級の場合,そもそも計画系の問題は難問ばかりで,ほとんど差が付いていないと考えられます。 そのため,この3力学をいかに勉強するかがポイントになってきます。

構造力学

全般的に出題があります。重要な項目として,棒材,トラス,内力,内部応力,曲げによるたわみ,座屈が挙げられます。 たわみは,支配方程式を使う問題は限られており,カスティリアノの定理,単位荷重の定理といった,エネルギー定理を利用する方が 遙かに簡単です。また,この場合を含めると,科目全体として,曲げモーメント図の作図が最大のポイントとなります。 そのため,構造力学の勉強においては,力のつり合い,モーメントのつり合いを物理でしっかりと理解した上で, 曲げモーメント図の性質を熟知しておくことが大切でしょう。

いずれにしてもどの職種でも最も出題数の多い科目であり,最も重要なポイントに挙げられる科目と言えるでしょう。 特に地方上級の場合,細かい知識問題の出題がほとんどないため,数少ない安定して点数の見込める科目と言えます。

水理学

構造力学と並んで出題数の多い科目です。静水力学,ベルヌーイの定理,運動量保存則,管水路,開水路が主な出題範囲です。 ただし,管水路は教科書通りの管路網の問題は手計算では計算が不可能なため,出題数がやや少なく, また限られた形式の出題となっています。

全体的に計算問題が主流ですが,知識問題も出題されています。特に地方上級の場合,知識問題は易しい問題と難しい問題が極端に分かれているのが特徴です。

静水力学だけがやや特殊で,それ以外の分野ではベルヌーイの定理がポイントになりますが, 教科書にないような特殊な問題も見られるため(選択肢式独特の出題),過去の出題を研究していることが重要になってきます。

土質力学

国家II種では最も出題数の多い科目の1つですが,地方上級ではやや出題数にばらつきがあり,構造力学や水理学よりは出題数が少なくなる傾向が見られます。

計算問題はバリエーションが限られており,知識問題の比率がやや高くなるのが特徴です。 また,出題分野を見ると,基本的物理量,透水,圧縮・圧密,土圧は全体的に出題されますが, せん断については,教科書ではメインとなるモール円の計算があまり出題されず,知識問題が中心になっています。

苦手意識を持っている人が少なくない科目ですが,逆に分野間のつながりが薄いため,得意分野を固めてしまう というのも手の一つと言えるでしょう。

材料・設計・施工

材料ではコンクリートに関係する問題が2問出題されるのが定番で,これは地方上級でも同じように言えます。 ただし,地方上級の知識問題は細かい問題が多く,必ずしも点数が見込めないのが問題となります。

設計・施工は,国家II種では,構造力学,土質力学の計算問題が含まれることが特徴です。 一方,地方上級では,ダム,橋梁などの構造物別の出題が見られますが,いずれも細かい問題が多く, 完全に選択肢を切るのが難しくなっています。

計画系

国家II種,地方上級ともに合計すると問題数は多くなるものの,各科目1問から多くとも2問までの出題のため, 勉強が極めて難しいと言えるでしょう。 しかし,国家II種の場合,出題は全般的かつ浅く広くの方針がとられるため,過去問を研究していれば, 確実な点数を見込むことができます。 一方,地方上級の場合,多くの問題は,各科目の教科書の数ページという非常に狭い範囲から出題されることが普通で, 的を絞りにくく,更に,かなり細かい難問が出題されることがあります。 また,分野的にも,過去にはリニアモーター鉄道や共同溝といった,通常扱わないようなテーマからも出題があり, 非常に難しく,地方上級の平均点・合格最低点を引き下げる大きな要因になっていると言わざるを得ません。

そこで,結局は国家II種で出題されている程度の範囲で勉強することになるでしょうが, 過去問の傾向を捉えているのであれば,半月程度でもカバーできるでしょう。

総合土木専門の科目比率

総合土木職とは,地方上級で,農業土木職と共通に試験が行われる場合を指します。 中には,通常の土木職と同様の出題をするところもありますが,多くは,通常の土木職とは異なった内訳となっています。 その内訳は,各地方自治体によって違っていますが,過去に公表ないし調査した結果について下にまとめておきます。

土木:土木職として試験が行われる場合の科目分け(どれも同じと考えられる)

総合1:群馬県の出題パターン。必須解答なし。

総合2:長野県の出題パターン。必須解答なし。

総合3:鳥取県の出題バターン。必須解答35題。選択15問中5問解答(土木,農業,林業が5問ずつ)

電気電子情報の出題内訳

専門試験の内訳は次のようになっています。

国家II種は,工学の基礎は必須。それ以外は27問選択

国家II種と地方上級では大きく試験内容が違ってきます。

国家II種は選択解答制をとっています。工学の基礎だけは必須ですが,残りは37問から27問を選択すればよいことになっています。 また,情報系の科目も出題数が多くなっています。そのため,自分の専門に応じた科目を準備すれば, それだけで多くの問題数をとることができます。 とはいえ,情報系の問題だけでは,まだ解答数が11問ほど足りませんが,電磁気学・電気回路は,一部分で工学の基礎と重なっているため, この辺りを勉強しておけば負担は少なくなると思われます。 一方で,電気系の人であっても,情報系の問題のうち,確率,フローチャートなどの一部分は選択が十分に可能と考えられます。 いずれにしても,本番で易しい問題を選択していくことで,合格最低点は超えることができるでしょう。

一方,地方上級は必須解答制です。また,情報系の出題は極端に少なくなっています。 ですので,情報系の人も,電気系の科目を勉強することが欠かせなくなってきます。 その中で,特に電磁気学・電気回路,及び電子工学は問題数が多いため,外せない科目と言えるでしょう (電気計測の一部も回路の問題と重なることが少なくないはずです)。 いずれにしても,地方上級を選択する場合にはまんべんなく広い科目について勉強していくことが大切になります。

機械職の出題内訳

専門試験の内訳は次のようになっています。

国家II種と地方上級では,出題される科目は,地方上級に電気工学の問題があることを除いてはほとんど違いはありません。

国家II種では,4力学が24/45と半分以上を占めています。工学基礎の中にも力学が相当数入っていることを考えると, 最重要科目は物理を始めとする力学であることは間違いありません。 一方で,設計,工作,材料の比率は非常に低く,多くが知識問題であること,設計の一部は力学の問題であることを考えると, こちらは後に回しても支障ないと思われます。

一方,地方上級では,4力学の割合は減少し,16/40と4割になります。とはいえ,最重要項目であることに違いはありません。 また,設計の問題数が多くなっていますが,この一部も計算問題であることに注意してください。 電気工学は,電気専門のレベルのものが出題されますので,科目数が少ないことを考えると, 特に電気回路の知識があるのでなければ,無視してしまっても(工学の基礎レベルまでの対策であっても)問題ないと思われます。