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国家I種には「試験合格」→「省庁採用」 という2つのプロセスがあります。つまり,公務員試験と, 採用面接は全く別に分かれていて,公務員試験はいわば,採用面接のための 資格試験のような形になっているのです。この採用面接は官庁訪問と呼ばれています。

ここでは,公務員試験について見てみましょう。これは,1次試験と2次試験に分かれています。

各試験には足切り点が設定されていて,1つの試験でもこの足切り点を下回ると,他の試験の成績にかかわらず不合格となります。 1次試験では,設定されている足切り点は,素点の4割です。

足切り点を超えていることを前提に,素点は偏差値化され,その上で上の表の配点がかけ算されます。

なお,2次試験では,多くの受験生は1次試験の合格最低点付近に固まっています。ですので,配点の低さもあって, 2次試験は完全に仕切り直しと考え,よほど1次試験で点数がとれていない限り(そういう人は2次試験もとれると思いますが), 1次試験のアドバンテージは考えない方が得でしょう。

1次教養試験

教養試験はマーク式の試験で,1次試験の午前中に行われます。公務員試験の中で最も特徴的な試験で,多くの参考書が市販されています。

国家I種試験では,配点は1次試験の中の2/5,全体の2/13となっています。

試験は,必須科目の「一般知能」と選択科目の「一般知識」に分かれています。 理系の場合,判断推理,自然科学系科目は勉強することになるでしょう。 特に判断推理は,一時期非常に難しい問題が出題されていましたが,最近は,地上国2とほとんど変わらなくなっており, 同じような対策で十分と考えられます。

次に重要な科目として,「時事」「英文」が挙げられます。特に英文は問題数も多く,ここがどれだけできるかによって, 教養試験の対策も変わってきます。それだけに,早めに自分の実力を把握しておくことが重要です。

その他,社会科学,人文科学の科目ですが,これは自分の実力に合わせて勉強することになります。 配点が高いのは,思想,歴史ですが,各科目の問題数が少ないだけに,あまり時間をかけすぎないことが大切です。 なお,社会科学各科目は,高校範囲を超えている出題も少なくありません。 (一方で,時事的な出題も見られます)

いずれにしても,教養試験は,あるところまでは点数が伸びていきますが,それを超えると点数を伸ばすことが困難になります (点数を伸ばすために新しい科目を学習しなければ行けないからです)。 合格のためには,配点が低いこともあり,平均点程度,あるいはそれよりやや高い程度で十分です。 具体的には,6割を狙う感じで,実際には5割を少し超える程度で,十分に専門試験で挽回できます。 ある程度できるようになったら,あまり勉強しすぎず,専門試験に取りかかりたいところです。 (なお,以前は「理系は,専門試験はみんなできるから教養試験で差が付く」ということがよく言われていましたが, これはデータから見ると,完全な誤りですから,注意が必要です。むしろ逆と言えます。)

1次専門試験

1次の専門試験は,どの職種も,必須問題と選択問題に分かれています。ここでは,人数の多い理工Iについて話を進めていきます。

理工Iの場合には,全問題数40問のうち,前半の20問が必須問題となっており,数学・物理が出題されています。 この部分がいわゆる「工学の基礎」と呼ばれるところです。 一方,後半の選択問題は,解答数は20問となっていますが,自由選択ではなく,まず,科目を4〜6科目選び(問題は20〜30問), その中から20問を解答する形式になっています。

工学の基礎は,高校範囲,および大学教養範囲の数学・物理が出題されます。必須問題で逃げることができないため, 大きく差が付いている部分と言えます。 特に,高校範囲を超える分野は,難易度が低くても,学習していない場合が多く,特に大きく差が付くところと言えます。

選択問題は,科目によって特徴も変わってきますが,大体どの科目も,易しい問題と難しい問題の両方を含んでいます。 そのため,狭く深く勉強するよりは,浅く広く勉強し,多くの科目を選択できる人の方が,易しい問題を選べるため, 高得点が期待できるようになっていると言えます。

2次専門試験

2次試験で最も重要なのが専門記述式試験です。 全体的に1次試験よりも難しく,範囲も広い場合が多いですが, 小問の誘導もつくため,かえって解きやすい場合もあります。

大問2問の選択ですが,年によって難易度の差が大きいため,3科目準備できることが理想です (理工I以外では3問分)。

ここでも過去問はかなり重要です。出される問題にはある程度のパターンがありますから, 事前の準備が大切です。 準備期間としては,1次試験の後に3週間の猶予がありますが,この期間は多くの受験生が勉強していますので, 差を付けるためには,1次試験の前から,選択予定の科目はある程度重点的に準備しておく方が有利でしょう。

なお,採点は,各科目ごとに偏差値化されて付けられていると考えられます。 つまり,8割の小問が解けていても,難しい科目なら素点は高くなり,易しい科目なら素点は低くなります。 したがって,他の受験生ができるところ以上にできることが大切で, 単に半分の小問を解けばよい,というわけではありません。 (ただし,過去に聞いた話では,受験生の手応えに反して,非常に出来は悪いそうです)

いくつかの質問について

Q1:工学系以外からの理工Iの受験について

官庁訪問のことを考えると,基本的に自分の専門の職種を受けることをお勧めしますが, 自分の行きたい官庁で募集がない場合など,どうしても他職種で受けたい場合もあるかと思います。 その場合について簡単にアドバイスをしておきます。

理工II(数学系)から: 1次専門に関しては,情報系を狙っていくことになります。 科目としては,情報基礎,情報工学(ハードウェア),情報工学(ソフトウェア)の3科目に,残りは何でもいいですが, 物理系の電磁気学,機械力学,あるいは,計測・制御,またまた,誰でも選択可能な技術論,環境・衛生辺りを選べばよいでしょう。 2次専門は,情報系の科目を狙うことになるはずです。

理工III(物理系)から: 1次専門に関しては,物理系であれば,電磁気学,機械力学,流体力学,熱力学を狙いましょう。 さらに情報系の情報基礎,情報工学(両方)もよいでしょう。 2次専門は難しい選択になります。電磁気学・電気回路を選択した上で,熱力学,環境工学,資源エネルギー,信頼性工学などを狙うことになります。 このうち,熱力学は,少なくとも前半部分は易しいので,守りの科目として選択するなら難しくないと思います。

理工IV(化学系)から: 1次専門に関しては,基礎化学を選択した上で,技術論,環境・衛生を選択して,残りは情報か物理となるでしょう。 科目の重なりが少ないため,厳しい戦いになります(倍率は理工IVよりかなり低いので1次は何とかなりますが)。 問題は2次専門で,これがほとんど選択科目がありません。環境衛生,資源エネルギー,信頼性工学などを準備するしかないでしょう。 いずれにしても,工学の基礎を固めておくことが必須条件になります。

いずれにしても,官庁訪問では,相当な突っ込みを覚悟すべきです。通常以上に志望動機を練り上げ, さらに積極的に説明会などの行事に参加して,自分の専門とのギャップなどについて理論武装していく必要があることは 覚悟していくべきです。ただ,理工IIと理工IIIの場合は,ただ合格すればよい,ということでしたら,それほど難しくはないかと思います。